2回目の要介護認定調査の日

一度目の介護認定は昨年、入院前に調査を受けていました。その時は要支援1でした。その後退院を経て現在までの生活の中で明らかに前回の認定が現在の母の状況と解離しているとのアドバイスをケアマネージャーさんから指摘されていました。というわけで再調査をしてもらうことになったのです。

前回の調査の際は、義母が入院中でしたので、主治医の見解をベースに、病院で義母との面談を行っただけで、我々への聞き取りは行っていません。当然義母との同居もスタートしていなかったわけですから、その時の要支援1の認定は妥当だったのでしょう。

要介護認定で何を見るの?

これが全くわからないんです。事前にチェックシートなども必要ありませんし、こちらが記入するものも何もないです。ただ、市の職員、恐らく委託の専門員だと思いますが、その方が来訪されて持ってきたチェックシートに聞き取りしながらチェックしていくだけ。もちろん、補足記入もありますので、例えば家族から困っていることの訴えがあればこれを記入してもらえます。

これ、私が誤解していたことですが、日常生活が困難になる、つまり他者の介助を受けないと生活が成立しないという場面は、身体が不自由だからという理由だけではないということ。例えば難聴で補聴器をつけていてもほぼ聞き取れず、病院から「必ず付き添いをつけて御来院ください」という、付き添い必須の条件を出されたりするのですが、この場合体には何も問題がなく自分ひとりで通院できたとしても、実際には介助必須ということになりますよね。なので、この場合は要介助という扱いが成立すると思います。認定調査ではこういう部分もしっかり聞き取りしてもらえます。

大きく2つの要素をチェックします

  1. 身体的不自由のチェック
  2. 精神面のチェック(主に認知症を重点的にチェックするものだろうと感じます)

この2点が特に重要視されるようです。なぜわかるかと言うとチェックシートの質問がほぼこの2つを確認するものだからです。

まず身体面の調査としては、

  • 自立して生活ができているか否か
  • 食事や排泄、入浴、着替え、日常生活にどのくらい他者のサポートを必要としているか

次に精神面の調査。

  • 物忘れ、日時や季節などが理解できるか
  • 作話(作り話)の有無
  • 記憶についての確認など

「日常の生活について前回調査から変わったことはありますか?」

「あります。ひとりでできることが大幅に減っていると思います」

「具体的には?」

「体がさらに不自由になったので、入浴や寝起きに支障がではじめています。具体的には自分でおしりを洗えない・拭き方が不十分とか、布団につまずいて転倒することが多くなっています」

こんな感じで調査は進みます。

介護認定のために準備しておくべきこと

特に裏技というようなものは存在しません。偽りの申告をするとかご法度ですので、介護者と被介護者のありのままを伝えることがベストです。実はここで介護初心者の多くの方がミスを犯していることがあるようです。私はこのしばらく前に、認知症の親を介護した苦労を話す茶話会に参加していたため、認定調査の時にやっておくべき大事なことを教えてもらっていました。

やることはひとつだけ。

  • 毎日の介護の記録をつけておく

これだけです。私の場合はスマホでGoogleカレンダーを使っていますので、毎日のタスクに「(メインの出来事)」として、あったことすべてを記録しています。例えば「病院に行ったときにお漏らし」とか。病院でも、外出先でも、仕事の合間でも、休みのときでも。その場面で起こったことはもちろん、思い出したことなどもいつでもどこでも記録します。長文でも全然余裕ですからとても重宝します。

なぜ記録が必要になるのか

暗記力が抜群で、まるで辞書のようにスラスラと対応項目に合致した情報を瞬時に引き出せる天才的な頭脳をお持ちの方には必要のないことですが、私の場合記録を確認しないと、時系列、出来事、その詳細がパッと出てくることはありません。漠然とは出てきますが、調査員さんから毎回指摘される「具体的には?」という言葉にしっかりと答えられません。的確に答えられるように、記録は必要だと思います。

介護認定、実は“介護する側の困っている度”認定だと思う

認定調査には、本人確認という項目もあります。これは家族が訴えている介護の現状が、本人の現状と合致しているかの確認であると思われます。それはそうですよね、家族が「ほぼ寝たきりなので」なんて言っておいて、本人に会ってみたらお菓子を食べて椅子に座ってテレビをみていた、なんてことはあってはならないことなので。虚偽がないか、家族の主張が正しいかは重要なチェック項目なのだと思います。

これを踏まえてよくよく考えてみると、介護認定って一見、被介護者本人の様子をチェックするのが主として見えますが、実際には介護する側(家族)が「毎日の介護でこのくらい苦労しています」の度合いをチェックしているものだと思います。

私が考える、やってはいけない認定調査での主張

私が考える、やってはいけない介護認定調査での主張。それは大目にみること、隠すこと、美化することかなと思います。

例えば、たまに食べこぼしをする程度の場合、まだまだうちの親は大丈夫!とか、こんな程度で介護のお世話になってはいけないなどという気持ちが働く方もいらっしゃるのかなと思います。ですが、介護は子育てとは真逆です。子供は成長しますが、老人は退化していくだけ。まだまだ大丈夫が、数ヶ月後に一気に悪化しているなんてザラにあるはずです。そうなったときに困るの誰ですか?という話だと思います。

私は、たった一回でも問題が出た事柄を主張しています。外で大便のお漏らしをして、それを本人が隠していたので発見したときに大変苦労したと。それはたった一回だったけど、ここには大きな問題がたくさんありますよね?

  • 大便を漏らすということは、便意の判断レベルが衰えているのではないか?
  • やった後に隠して、汚れたままの洋服で診察を受け、病院の椅子に座っていた。
  • 一大事だということを、隠すという判断をしたことの問題

これって、ただの子供のお漏らしとかではないです。長い人生を生きてきた人が、常識的に考えてやってはいけない行動を取り続けた。これは十分に介護度に関わってくることなんだと思います。

介護認定を下すのは調査員の調書を元にした認定審査会のお仕事です。介護者側としてはそもそも認定基準すらわかりませんし、結果が出れば我々はそれに従うまで。逆に言えば我々はありのままの介護の苦労を主張することしかできないので、それを隠したり、遠慮する必要など全くないということになりますね。