介護をやっていて陥るジレンマ

介護をやっていると、2つの思いに板挟みされることがあると思います。

  1. ルールを守らせて、こちらの介護の手間が少しでも減るようにコントロールしたい
  2. なるべく自由にしてもらって、残り少ない余生を楽しく過ごしてほしい

この2つは矛盾するものだと思います。片方は強制、片方は開放。どちらかを優先させればどちらかが犠牲になります。先日、考えさせられる出来事がありました。義母との会話からです。

「最近は調子どうですか?」

「体も調子良いし、食事も美味しく食べられるし。ほとんど聞こえなくなっているから良いわね」

「それはよかった。何かやってみたいこととかないの?」

「前はあったんだけど、最近気力がなくなってしまってね」

「高齢になると誰でもそれが普通って、この間デイサービスの人も言ってたよ」

「そうなんだ・・・。何かしなきゃ!って思うんだけどね」

「それが逆に義務的になると、ストレスになるんじゃない?無理はしないほうが良いと思うよ。でも、何もやらないとなるとそれはそれであまり良くないのかもしれないしね」

「そうね。散歩だって本当は面倒だから行きたくないけどね」

「だよね。暑い寒いでわざわざ歩きに行くのもね。お買い物散歩とかはどうなのかな?」

「また変なの買っちゃうからさ〜。私、甘い物とかどうしても食べたいもの買ってしまって。抑えられなくなってしまうから」

「敬老パス使って、たまにバスとか地下鉄の旅とかは?。無理か・・・迷子とか足腰がフラフラになるから・・・」

「この間、帰ってこれなくなってしまったからさ。前はできていたのにね」

「・・・」

という会話がありました。この中でコントロールしていたのが、買い物と乗り物での外出です。前例があってどちらも数回ひと騒動を起こしたものだったので、しばらく止めてと言っていました。本当なら自由に買い物を楽しんでもらったり、バスとか地下鉄を使って公共施設でのんびりしてきてもらうなんていうこともできるかな?と思っていたのですが。今の義母にとってはどちらも非常にハードルが高いものです。

  • 耳聞こえない
  • すぐに歩き疲れる
  • 階段を登れない
  • お金の勘定が微妙
  • 判断能力の低下

などなど。前回の買い物で、飴買ってきたりするのはまだ許すとしても、毎回大量に食べないものを買ってこられても、流石にこっちも処理に困るので。外食してきてと言っても、あまりひとりで食べ歩きなどやったことがないようなので、逆にストレスになるようなことを以前言っていました。

自由にはやってほしいのですが、その自由のさじ加減がぶっ飛んでいる人で困っていました。以前の私のトラウマもありますし・・・悩ましいところです。