健康保険証が盗まれたと義母の訴え

義母の健康保険証が見当たらなくなりました。確か直近で使ったのは義母が歯医者へ通った時だったよなと思い出しました。歯医者だけは義母ひとりで通えるようになっていました。

「お義母さん、自分で保険証使ったよね?」

「そうなのよね。どこにやったのかしら?」

「渡した保険証袋に入れなかったの?」

「入れたと思ったんだけど」

「バッグの中は?」

「探したけどないの」

「落としたとか?」

「わからない」

こんなやりとりをしました。これは日常茶飯事だったので、毎回注意していたがまたしても物忘れ。義母の悪いところは、同じところに物を戻さないところ。これは義母に限らず物をよく無くす人の典型的な悪癖なんだと思います。決まったところに戻す。これで物の紛失は減ります。そんなことをしていたら義母が突然

「たぶん、大工さんじゃないかしら?持っていったのかも」

「は?」

「ここ何回か出入りしてたから」

「リフォームしているからね。そりゃ出入りするよね」

「さっきここにいた人だと思うんだよね」

5月のGW明けから、我が家でリフォームがはじまっていました。そのため工務店さんが出入りしていたのです。

「・・・あのさ。そういう根拠のない話はやめてくれない。だいたい大工さんが今二階にいるのに、聞こえたら失礼だと思わないの?証拠もないのに泥棒扱いするわけ?だいいち、あなたの保険証盗んだとして、何に使うの?意味ないじゃん」

「だって・・・」

「だってじゃないから」

「あらそう?」

「もう一度探すから。泥棒扱いとかするって良く無いよ」

「わかった」

内心「お前が失くしただけだろ」と思っていました。義母の押入れを探してみました。いつも使っているバッグのポケットをもう一度探す。あれ、あるじゃん!

「あったよ」

「え?どこに。良かった〜」

「バッグにあったけど」

「誰の?」

「あなたのに決まってるでしょ!他に誰のバッグがあるのよ」

「ごめんね〜」

「謝るなら、疑った大工さんに言って。自分の物忘れを棚にあげて人を疑うなんて、人として終わってるからね。やめなさいよそういうの」

「そうだね。なんか私オカシイよね」

今頃気づくな。一件落着でした。