退院後の義母の様子について

精神科と介護認定のために毎日の記録用。

  • 幻聴はなし。
  • 物忘れが尋常じゃないほど多い。
  • 家電の使い方が全く覚えられない。
  • 食事も準備したもの以外は食べない。
  • 行動ひとつひとつに声かけをしないとできない。

最近、1番困っていることが、なんでも勝手にやって大失敗する謎の行動。本当に迷惑でしかないです。何度注意しても覚えようとしませんので、毎回やさしく注意し続けています。本当に疲れます。

薬の飲み忘れと、その対策

義母が我が家にきたときから我々が気がついていたこと。それは実家ではほぼ薬を飲んでいなかったんじゃないかということ。大きなビニール袋に入った大量の薬を持参してきたので、こんなに飲んでるの?と思ってよくよく整理してみれば、古い処方日、下手をすると年単位のものまで大量に入っていました。パンパンのビニール袋3袋程度は持ってきたかなと。恐らく飲み忘れをしまくった状態で次の診察ということを繰り返していたのだと思います。同時に病院にしばらく行っていなかったということも発覚。

食事は3食、時間どおりに忘れず食べる。なのに薬は毎回忘れる。準備していても忘れる。よく観察していると、食べ物を出されると椅子に座ると同時か座る前から箸を手にしているほど食事に集中しているのがわかりました。これは大袈裟ではなく本当の話。以前犬を飼っていたことがあるが、そのときの光景を思い出す。一心不乱に食事しか見ていなかったです。

薬を飲み忘れる原因。義母の場合は食事に意識が集中してしまい薬のことなど忘れてしまうというのが原因だろうなと感じました。食べ終わると気が付くときもありますが、大半は声かけをしないとまず飲みません。これでは困るんです介護者が。

特に困るのが、食前薬。糖吸収の抑制薬だと思いますが、これを飲み忘れるからかどうか、血糖値の検査結果が毎回非常に良くないです。先生からは「お薬ちゃんと飲んでるんですか?毎回数値にバラツキがあって、不安定なので食事の問題は大きいんじゃないかと思うのですけど・・・」と、苦言を呈される始末です、私が。

ということで、薬を飲み忘れないように、セッティングしてあげることが急務となりました。

薬管理ボックス「ウィークリーメディシンケース」を購入

別の日記で書きましたが、薬管理ボックスを購入。非常に重宝しています。

義母の糖尿病内科の通院

義母の糖尿病内科の定期受診に付き添いしました。難聴がひどく、歩行もヨチヨチな感じなので、しばらくは付き添い必須になるでしょう。ちなみにこのヨチヨチ歩き、ペンギン歩きと言うらしいです。義母を見るとたしかにペンギンだ、ペンギンとはかけ離れて全く可愛くないけど。

受診した結果、あまり調子はよくない状態らしいです。

  • 血糖値260
  • Hba1cが規定外の数値(この時の検査結果がないですが、確か7を大幅に超えていたような・・・)
  • 尿潜血プラス(要観察でした)

精神科、リウマチなどとにかくこの時期薬が大量でしたので、何が原因の体調不良かわかりませんでしたが、体のふらつき、歩行困難、手足や口の筋肉硬直、判断能力の低下、奇行などなど、オンパレード状態でした。

糖尿については、大きな問題として、薬の効きが不安定だということ。血糖も高止まりしているので、食事のことについて、いろいろ質問されました。

「ご家族の方ですか?」

「義理の息子です」

「義母さんとは、別居?同居ですか?」

「同居です」

「ですよね。症状については、あまり良くないですね。退院直後でしょうけど、病院食を食べていた割りに血糖が高いと思います。それと薬の効きがちょっと問題ありますね。入院時お薬ちゃんと飲んでいたのかな?と思うほどです。退院後のお薬の管理は?」

「私がやっています。処方どおりに」

「食べ物で何か問題ありませんか?とくに納豆とかは食べていませんか?」

「私はやっていませんし禁止していますが、義母がたまに勝手に食べたりしているのは確認しています」

「甘いものは?」

「それも勝手に食べていると思います。一応、本人にはダメと言っていますが、衝動的に動くことがあるので」

「・・・そうですね。入院は精神科でしたものね。いろいろありますが、Hba1cが目標値あたりに落ち着くまでしばらく短期間での通院になりますので、ご理解ください」

結果として、2週間に一度の通院になりました。糖尿病内科は、血液検査と尿検査必須なので、結果待ちの時間も含め非常に長時間病院に拘束されます。通院は義母ひとりでは無理なので、付き添いの私も過酷なことになります。ほぼ朝から夕方前まで何もできませんので。

義母の退院と在宅介護のスタート

これから四六時中顔をあわせた生活が始まるのかと思うと気が重くて仕方なかったです。自分たち家族で建てた家なのに、半分自分たちのものではなくなる気分でした。母は笑顔で帰宅。幻聴はもうなくなったとの本人談。本人が言うならそうなのでしょう。この系統の病気の厄介なところは、一見ごくフツーな人に見えて、中身はイッちゃってるというところでしょうか。イッちゃってるは失礼な表現かもしれないですが、義母をみている限り、この表現しか思い浮かばないので、しばらく使うと思います。

入院生活は辛かったとのこと。周りも同じような症状の人ばかりで、母いわく同室のみんなが、常識では考えられない話ばかりしていて頭がおかしくなりそうだったとのこと

「あなたもね」

私の心の声です。

薬が相当効いているためか、呂律がまわらないこと、表情も乏しいこと、問いかけへの反応が薄いこと、体の動きがあやしくひとりで歩くのが困難なことがわかった。

明日からの生活が介助で大変になること、そしてリハビリが必要なことを認識しました。

義母が話をしていたことの事実確認で警察を訪ねた

義母が入院前に話していた内容で、ずっと気になっていたことがあります。

  • 夜中に交番に通報してきてもらったこと
  • 夜中にアパートを管理している不動産に電話したこと

不動産については、ちょっと敷居が高くて躊躇いました。「だから何?」って言われたらそれまでなので。あくまでも私の興味本位ですから、不動産屋さんにしてみたらそんなのどうでも良い話ですからね。義母が言っていることのどれが本当でどれが妄想なのか?というところがどうしても気になってしまって。

最寄りの交番だと思うので、実家を管轄する交番へ電話をしました。本人以外の場合、本人確認をしないと個人情報が絡む話はできないと言われたので、直接訪問することに。交番で本人確認が終わって本題へ

「たまよ(義母)の義理の息子なのですが、お尋ねしたいことがありましてきました」

「どういった件でしょうか?」

「義母の話によると先日、夜中に電話をして隣家からの騒音が煩くて困っていると交番に通報したと申していたのですが、それが事実確認かどうかの確認でした」

「あ〜。あれは覚えています。結果から言うと、まず夜中の2時に通報があって、私と部下の女性の2人で訪問しました。家の中と敷地内を確認しましたが、騒音や迷惑行為は現認できませんでした。ご本人にはその旨を伝えたことと、様子からして少し混乱したようにお見受けしたので、近いうちに一度病院へ行ってみてはどうですかとお伝えしておきました」

「義母の話は本当だったんですね」

「その後、たまよさんどうなんですか?いつもお孫さんの件でお電話あったのですが、夏頃からぱったりと途絶えていたので、うちの交番でも気にしていたんですよ」

「孫は娘夫婦ですが、引越ししたので今は義母の独居になっているんですよ。ちなみに、今、義母は入院しました」

「あ〜そうだったんですか。いや、訪問した際の会話の内容がなんと言うかとても混乱していて、部下がなんとかなだめて落ち着いた感じだったので、その後心配していたんです。入院されたということで安心しました」

「ご心配ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました」


というような感じでした。電話していたのは本当だったんだ・・・と少し驚きがありました。ということは、不動産に真夜中に電話したんだなと。確か個人経営の地元の不動産だったはずなので、迷惑かけただろうなと。なぜかというと、義母の話のなかで「不動産屋は、何言ってるんだ?って感じで、アパートの住人に確認したけどそんな事実は無いって言ってたの」という話を聞いていたので。恐らく怒らせていたのだと思います。そりゃそうだ、訳のわからない話で突然真夜中に連絡されたら、誰でも驚く。

実家のお片付けで大忙し

さて、母の我が家への受け入れ体制は骨組みがなんとか決まったので、あとは肉付けしていくだけです。まずは1番時間が割かれると予想した実家の売却についての準備。家を空き家状態にしなければなりません。

余談です。我々はたまたま実家が同県内の同市内なので、自分たちで全てを行いました。しかし、これが他県に住んでいたり、それが遠方だったり、または仕事で忙しいなどと言う場合、業者さんにお願いして片付けを行うのだろうな〜と思いました。これ、なかなかの出費になると思います。実際に行った作業をもとに、こんなことをやったリストを以下載せてみますね。

  1. 使えるもの、使えないものの仕分け(使えないものはゴミ行き)
  2. 使えるもので自分たちが使うもの、使わないものの仕分け
  3. 使えるもので自分たちは使わないものを買取に出す
  4. ゴミの仕分け(収集か粗大か)
  5. 収集ゴミの分別作業
  6. 収集ゴミの搬出(自分たちで解体すれば出せるものなどは、解体作業)
  7. 粗大ゴミの搬出
  8. 物が無くなった時点で清掃
  9. 電気・ガス・水道の解約

こんな順序で作業を進めていきました。実際にやってみたところ、とにかくゴミが大量で、捨てるものしかありませんでした。1番厄介だったのは義母が直前まで生活していた時のキッチン周辺の食材。義母が越してきてから1週間以上過ぎての作業開始でしたので、異臭も少し漂うような状態でした。炊飯器に真っ黄色のご飯が入ってるし、冷蔵庫を開けたら真っ黒になった“なんか黒い食べ物”が、果実酒を漬け込むような瓶に4本も作り置きされていたし、冷凍庫に入っていたものの大半が年単位で賞味期限切れだったし・・・もうカオスでした。

もうひとつ面倒だったのが書類関係の整理。全部まとめて捨てるというわけにはいきません。管理が行き届いた方なら心配ないはずですが、義母の場合わかりやすく言うと土地の権利書がカードの利用明細などと同じ場所に保管しておくような感じでした。これでは危なくて捨てられません。ひとつひとつ確認しながら分別していきました。大量の書類の山なので、本当にこの作業がしんどかった。時間がかかる割に見た目の作業が全く進んでいるように見えないので、気持ちが凹んでいきました。

参考として、もしこの片付け作業を業者さんにお願いしたらどのくらいの費用なのかな?と思って、ざっくりとした見積を電話でお願いしました。料金はピンキリでしたが、安くて20万円、高いと40万円程度というものでした。しかもこれに買取というものが含まれていないと言われ、全てを持っていく料金ですという感じの業者さんもあったので、それは勿体ないよな〜と思いました。でも、時間と手間を考えたら、こういう業者さんに依頼する方は多いのではないかと思います。片付け作業は、相当な人数がいなければ1日程度ではとても終わりませんからね。遠方から数日単位で通ってと考えた場合、交通費などを含めれば逆に2,30万でも全然安いような気もしますね。

収集ゴミは、ひたすら指定日にゴミステーションに出すだけなので特に問題なし。ただ一度だけ近隣の方に「大量に出していますけど、どちらの方ですか?」と聞かれたことがあります。あ!・・・もしかして私、不審に思われてる?と察知し、事情を説明したところ、噂が広まっていたことに気づいた。みたいなこともありました。田舎って見知らぬ顔が目立つっていうことに改めて気付かされました。

粗大ゴミについては、収集ゴミが終わったあたりで出すことになりました。とにかく収集ゴミで廊下や部屋が天井まで山積みのような状態でしたので、物理的に粗大ゴミを出すことができなかったからです。トラックを借りて行いました。ソファーや家具など大量にあったので、処分費用だけでそこそこかかりました。

費用もそれなりにかかりましたが、それ以上に買取の貢献があって、結果的にはトータル大幅にプラスで終わることができました。買取してもらえたものは以下のとおり

  • エアコン(室内・室外機ともに外す作業まで行ってもらえます)
  • テレビ
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 自家発電機
  • PC
  • 炊事家電
  • ガス給湯器(ガスを閉栓した状態だったので、外して持っていってくれました)
  • 小型家電一式
  • 瀬戸物
  • 農機具
  • 金属(小型から大型までほぼなんでも)
  • バッテリー・タイヤ

こんな感じでした。持って行ってもらえなかった率が高かったのが、ソファー、タンスなどの木製製品。もしかしたら有名メーカーで、かつ程度良好であれば買取可能かもしれませんけどね。実家のものは、無メーカー、程度最悪だったので完全スルーされました。意外だったのが、ガス給湯器。しっかり買取していただきました。意外と高値だったのが発電機。他はほぼ買い叩かれましたけど、リサイクル処分費用などを考えれば、値段がついただけありがたいと思います。それと、意外と困っている方多いはずですが、金属製品の大物。これ全部持って行ってもらえます。しかも喜んで。おそらく中古で処分するか、金属買取に回して稼げるのでしょう。そういう特殊なマーケットは素人にはわからないですからね。

バッテリーとタイヤはゴリ押しでお願いしました。本来は持っていかないと言われましたが、金属を大量に出したおかげでしょうか?快く無料で引き取っていただきました。どこでどうやって処分するのでしょうか?素人は知らなくていいことでしょうかね。

こんな感じで、実家の売却に向けた下準備は終了。

義母が入院することになりました

朝。義母が起きてきません。部屋を見にいくと、髪はボサボサ、下着姿のまま部屋の片隅でブツブツと何かを口ずさんでいました。

「お前が悪い〜。お前が悪い〜。〇〇〇〇〜1-2-3、〇〇〇〇〜1-2-3(〇〇は義母の実家の住所)」

呪文というか念仏というか、同じことを繰り返し何度も何度も小さな声で呟いています。
これ、めちゃくちゃ怖かったです。全盛期のほん怖のワンシーンのような怖さ。振り向いたら目が真っ白なんじゃないのか?と想像するほど、表現のしようがない不気味な後ろ姿でした。

これはマズいぞと。すぐにこのまま放置してはいけない状況だということは理解できましたので、病院が開くと同時に先日の精神科へ相談をしました。再度診察をするとのことだったので急遽病院へ向かうことに。

「ひどくなりましたか?」

「部屋の片隅で震えて呪文を唱えているような感じでした。こちらの問いかけにも反応が薄いです」

「(先生)大丈夫ですか?」

「(義母)・・・・・」

「入院しましょう。長くなると思いますので、早速準備をお願いします。それと入院後になりますが、精密検査を行うことになります」

結局、義母はこのまま入院することになりました。私は内心、入院できないとなったらどうしよう!と本気で考えていたので、義母の心配よりも先に、自分たちの不安が取り除かれたことに安堵していました。
もしも夜中に起きたときに、真っ暗な部屋からつぶやきが聞こえてきたら、恐ろしくて眠れませんから。

本当に入院できて良かった。

義母の様子がおかしくなった

先日の通院後も、幻聴はあったりなかったりの繰り返しでした。お薬の効果でしょうか、夜中にわずかでも寝ることができるようになったようです。しかし依然として全く聞こえなくなったわけではないようで、綱渡りな感じで生活を送っていました。

そんな中での出来事。私が仕事の打ち合わせから帰ってくると、日中にもかかわらず部屋のカーテンが全て締められていました。今朝は確かに開けていったのに。家に入ると母がキッチンの片隅に隠れていました。

「外に誰かいる。こっちを睨みつけているの・・・」

これは困ったなと。どうやら悪化しているようでした。幻聴というか、妄想というか。こういうのどう説明したら良いのかわかりませんが、「何かを感じる」ということらしいです。

この時、悪化しているな!と思いました。

義母を精神科へ連れて行くことに

昨日から義母の面倒を我が家でみることになりました。今日の午前中に妻が休みを取れることになりました。手分けをして作業をすることに。妻は実家から義母が使うだろうものを持ってくる担当。私は義母を病院へ連れて行く担当です。病院は義母がかかりつけの大学病院が良いだろうということで、妻が事前に予約を入れてくれました。

大学病院の精神科へつきました。義母は不安そうな様子。と言っても、義母の不安は我々が思いつくような「どんな病気なのだろう?」とか「何か重い病気なんじゃないだろうか?」の種類ではなく

「なんか、アミダが着いてくるんだよ。そこらへんに居るの」

こっちの不安だったようです。

このアミダというのは、阿弥陀様のことだと思います。擬人化されてます。義母の話によると、アミダという人物が居て、彼には奥さんと子供二人がいるそうです。隣のアパートに住んでいたと。彼らが義母に様々な悪さをしていたと。簡潔に言うとこういう話だそうです。

義母の不安というのは、このアミダが付きまとってくることだそうです。自分が病気だとは1ミリも思っていませんので、それは当然なのでしょう。だから病気が怖いとかではなくて、病院まで着いてきて、太鼓を鳴らして義母の名前を大声で叫んでいるのが恥ずかしいとか、恐ろしいとか。そういう恐怖を感じていたそうです。

私から言わせれば、こういうことを真顔で話す義母の方が100倍恐ろしいのですが。義母の診察の前に、一通りの事前検査がありました。同行できなかったので詳しくはわかりませんが、頭部CTや血液・心電図などの検査を行なったようです。持病は糖尿病と心筋梗塞(発症前に発見したので、現在治療中)、リウマチを抱えています。その関係で血液検査なども行なったのかな?と思いました。その間に妻が合流しました。そして義母の診察がはじまりました。

「どうされましたか?」

「声が聞こえると訴えています」

「どのような?」


私たちは、今まで義母から聞いてきた”聞こえる声”のことを先生に伝えました。

「幻聴ですね。原因はいろいろあると思いますが、今のところはこれだという判断はできません。若い頃、統合失調症などの既往はありましたか?」

「恐らく、無いと思います」

「そうですか。もし、お母さまがもう少し年齢が若くてこの症状で来たとすれば、統合失調症という診断になるのかもしれません。ただし、年齢からして今発症したのであれば、妄想性障害というような感じなのかもしれません」


「とりあえず、同居の方への危害や、ご本人の錯乱のようなものもまだ無いようですから、投薬を行って様子をみるという方法になると思います。それでも改善しないようでしたら、入院して治療するというような流れになるかと思います」

診察が終わりました。処方箋を用意されて帰宅することに。だいたい想像していたような病気だなと思ったことを覚えています。私的には認知症とか鬱とかなのかな?という素人判断をしていました。

チャン子が出て行ったことを含め、これまでに義母にかかるストレスは相当のものだったのは理解していましたから、恐らくこれらが原因となって病気になったのかな?と思いました。

とりあえず、自宅療養ということですが、義母が頻繁に訴える「また声が聞こえた!」という声と、怖がる顔を見続けなければならないのかと思うと、急に浮かない気持ちになりました。

義母、ふたたび突然の来訪

義母がふたたび来訪しました。今度はいったい何があったのだろうか?

「もう実家は怖くて居られない。お願いだからこちらで面倒をみてもらえないだろうか」

冗談ではないことは、義母の話す顔や目の動きをみてすぐに理解できました。これはかなり重症だろうなと。病院へ連れていかなければならないと思ってはいましたが、まさかこれほど急激に悪化するとは思っていなかったので、ちょっとした動揺もありました。

義母にはとりあえず我が家で数日過ごしてもらうことに。その間に病院へ連れて行く段取りをして、実家から荷物なども持ってきたり、いろいろと準備をしなければなりません。我が家は2馬力夫婦ですから、こういう時本当に大変で、お互いのスケジュール調整をすることになります。幸い私がフリーランスですから超柔軟に対応できます。持っている仕事は、それこそ隙間に入れてやってしまえば良いので。こういう仕事をやっていて良かったなと思う瞬間。

余談ですが、義母はお願いだからこちらに泊まらせてと言う割に、ほぼお泊まりに必要なもの、たとえば着替えや自分で使うものなど一切荷物を持たずにやってきたのです。そういうところを見ても、相当追い詰められた状態だろうなと感じました。

義母の家で“怪奇現象”を調査してきた結果

実家の状況を確認しに行きました。まずは家の外と隣のアパートからチェック。家の様子は全く何も変わっていない。雲の巣や雑草が私の背丈ほどに生い茂っている状態。普段ならこまめに庭の手入れもしていたと思いますが、これには少し違和感も覚えました。よほど余裕がないのかな?と。

隣のアパートですが、義母の言うような”拡声器”、私が判断するに“スピーカー”のことだと思いますが、そういう類のものはアパートのどこを探しても見つかりませんでした。当然そうだろうなと。

この時まで、私の頭の片隅には義母の様子や言動への疑念がありました。話や様子がいつもと違うし、話の内容も破綻していること。もしかして精神的なストレスなど、何かそちらの病気なのではないか?ということです。それが確信に変わったのはこの時でした。

「おかあさん、特に変なところはないと思うよ。音だって聞こえないし」

義母にこう話をしてみたところ、返事が返ってきました

「そうかしら?ほら、聞こえない?ゴーンゴーンって」

「ほら、私の名前を叫んで「お前が悪いー!」って叫んでるでしょ?」

「怖いわ〜」


妻と顔を見合わせた瞬間、二人とも何か言いたかったのですが、阿吽の呼吸でこの場をおさめることに終始しました。この時、義母が壊れそうな雰囲気だったからでしょう。

「おかあさん。一旦落ち着きましょう。とにかく何もないよ」

「ところでちゃん子はどこに居るの?いつものお出かけ?」

「え?ちゃん子は今居ないわよ。どこに居るのかしら?」

「え〜〜〜?いつから居ないの?」

「夏頃だったかな・・・」

「どこに行くのかも言わずに出てったの?」


「そう。私と口論ばかりしていて。嫌になったんでしょきっと。たぶん旦那(以下わかめ君)のところに行ったのかな〜」

「私にここ出て行け〜!って包丁をつきつけてきたり、すれ違う時にドン!と押してきたりして、わたし倒れそうになったりしたからさ。そういうことしてたんだよ、ちゃん子は」

「へ〜。ずいぶんだね」

「ところでおかあさん。まだ声とか音聞こえる?」

「あれ?今は聞こえない。あ〜良かった。今までずっと聞こえていたんだけどね。どく君のおかげだね。ありがとうね」

「まずは落ち着こうね。音は聞こえないから、安心して」


「わかった。でも夜になるとまたやり始めるからね。太鼓ドンドンと。玄関にたってわたしの名前を叫んで「出てこい!」とか言うからさ。怖いのよ」

「安心して」

「わかった」

衝撃的な展開でした。ちゃん子とわかめ君と義母についての騒動は、長い話になるのでまた機会を改めて書いてみます。

それにしても義母。やばいな!と瞬時に気が付きました。これは大事になりそうだなと。不安な要素が見えすぎて気持ちが暗くなってしまいました。



義母の言う“怪奇現象”について

昨日、義母から相談された例の「隣人がドンドン太鼓を叩く」とか、「自宅の柱がバリバリバリバリ〜」って鳴るという、いわゆる怪奇現象を調べてきました

先日、義母が帰宅した後、当然妻とはこの話について私たちなりに考察していました。

「おかあさんの話どう思う?」

「俺的には、俄かに信じがたいというのが率直な感想かな」

「私も同じ」

「あんなに難聴ひどくなっているのにね。耳元で大声出しても聞こえていない人が、そんな音聞こえるものなのかな〜。とかさ。いろいろ勘繰ってしまった」

「だいたいちゃん子(妹です)はどうしているの?」

「たまに家出しているから、またダンナの実家にでも行ってるんじゃないの?」

「おかあさんを置き去りで?」

「関係ないって感じなんじゃないの?」

「いつもながら無責任だよな、本当に」

「とにかく。一度行ってみるしかないね」


ということになりました。

介護の幕開け

突然、義母から相談がありました。ちょうどお昼前のこと。滅多に来ることがない義母が我が家へ訪ねてきました。

「隣のアパートの若夫婦が、夜中に太鼓をドンドン鳴らしてうるさいから困っている。家の中の柱もバリバリバリーって鳴るくらい振動がして・・・」

要約するとこんな話でした。もっと長い話でした。義母の話に入る前に簡単に説明します。義母が住んでいるのは妻の実家。戸建てで築60年以上。断熱材なんて入ってないようなものだと思うので、冬は外よりも格段に寒いというような家です。

夜中に隣のアパートから太鼓???義母の話は、にわかに信じがたい話。同席していた妻と一瞬顔を見合わ「・・・」となってしまいました。

「四六時中そんな感じなの?」

「いや、夜中だけ。近所の交番にも通報したし、隣のアパートの大家にも電話をしたけど、どちらとも「そんな事実はないと思う」て言うんだよ・・・」


話をよくよく聞くと騒音が耳から離れず、怖くて眠れない日が続いているとのことでした。それは大変だろうから、近々一度我々が行って確認してみるからということで落ち着かせ、その日はそのまま実家へ帰ってもらうことになりました。