義母の受け入れ準備(受け入れ側の心構え編)

受け入れる側の心構えです。これも重要だと思います。家族間で話し合いをしてみました。

  • 義母がどのレベルの体(精神状態)で同居になるのだろうか
  • 義母の性格、価値観はどうなのか
  • 通院や見守り、日常的な介護の分担はどうするか
  • 子供にも手伝ってもらうことがあるのか

さしあたりこの程度を考えてみました。義母の精神状態については既にお見舞いをしていたので理解していました。幻聴はなくなったけど、以前聞こえた声は実際にあったものだと理解しているような状態です。つまり、幻聴がなくなっただけで妄想はそのままって話ですね。このあたりは家族全員で見守りしましょうと。

体については、まるっと3ヶ月入院していたので足はフラフラ状態でした。ひとりで歩くのもままならないような感じなので、身体介護もしばらくは必要だと。

性格ですが、妻いわく、まあ意外と面倒だと思うということ。それ以上はゴニョゴニョ・・・と言う感じだったので、まあ想像はつきました。蓋を開けてのお楽しみという感じでした。価値観については未知数ですね。私の経験上、性格と価値観ってほぼ一致しない人が多いので実際にみてみないとわからないです。

通院や見守りは必須ですね。これは確定。要リハビリという感じなのでしょう。

子供の手伝いってことですが、手に負えるレベルの体と精神状態ではないので、酷すぎるので子供は関知させないことで一致。

私が妻からいろいろ聞き取りをしてみた感想ですが、この時はまだ楽観的でした。穏やかな性格なのは承知していましたが、一方で執念深く粘着質なところも垣間みていたので、そこをどううまく付き合っていけるかなと考えていたと思います。

義母の受け入れ準備(リフォーム編)

年をまたぎ、実家の整理やら親戚筋へのお知らせも順調に進んでいました。来週退院予定の義母を今後亡くなるまで受け入れることになるため、準備をすることになりました。作戦会議ですね。細々としたものを挙げればキリがありませんので。

介護をするご家庭は、概ねこのような大枠で介護のことを考えるのだろうと思います。重要なのは介護される側とする側の生活の質。ズバリこれに尽きます。どちらを疎かにしてもうまくいかないですから。

というわけで、まず必要なのは義母の部屋ですね。衣食住の住。超重要ですね。我が家では10,000パーセント同居を想定していなかったので、部屋を新設する他ありません。そして付随する改修もあわせて行うことに。

  • 義母の部屋
  • 玄関ホール
  • 2階の一室をサブリビング化
  • 2階のトイレ
  • カップボード(キッチンの収納スペース)の入れ替え
  • 洗面所の衣類スペースの増設
  • 駐車場の拡張
  • アプローチのバリアフリー化
  • 玄関階段の手すり設置
  • 2階部屋の分割(1部屋追加しないといけなくなったため)

案外多いんだなと驚きました。なんとなくですが、部屋さえ作ればなんとかなるでしょ!という安易な考えでいましたが、そうはうまくいかないことを、プランを進める上で思い知らされました。

リフォームの詳細についてはまた後日説明したいと思います。

それにしても・・・お金かかるよな〜。義母の持参金はゼロなのに。なぜこちらで全額負担しなければならないのかな?と思わずにはいられなかったです。

義母の受け入れ準備のための家族会議

介護というのが、どんなものかを理解していません。それよりも義理の親との同居自体を想定していなかったので、私としては介護以前に同居の方が大問題です。受け入れに伴って、我が家の体制も大きく変わることが予想されました。想定していた懸念材料を挙げてみます。

  1. 部屋をどうするか。リフォームが必要になると想定
  2. 日中の見守りや通院、義母の生活全般の管理をどのように分担するのか
  3. 義母が、どのような状態で退院してくるのかがわからないので、最悪、目が離せないような場合、介護施設などの段取りをしておかなければならない
  4. 実家を閉鎖(売却)するので、親戚筋近辺への周知を行わなければならない
  5. 義母の資産管理を行わなければならない
  6. 義母が必要な道具の購入、現在使っていたものを実家から引き上げ

想定していたのはこのような感じ。我が家で最も懸念していたのは、1の部屋のこと。義母は入院前から既に足取りがフラついていましたので、2階生活は無理だろうと。そうなると和室。だけど和室は元々ほぼ使わないけどとりあえず作ったような部屋。ここに落ち着けるような部屋にするためには、テレビの設置や布団や衣類などを機能的に収納できるスペースが必要になってきます。リフォームしかないなと。

また、外構もそうです。確実に来客が増えることが想定されますが、我が家は駐車スペースがショボすぎる。これを拡張することが必要でした。それとアプローチがデコボコすぎるので、摺り足の母用にフラットなものに改装する必要がある。玄関手すりも必要。ということで、リフォームは決定。

2の通院や見守りについては、本当に偶然ですが、私がフリーランスかつ在宅ワーカー(事務所兼自宅で成立する職業)なので、これは特に問題なしかと。私がメインで介護+生活全般+通院などを担うことで大筋合意。

3ですが、これは誰にも想定できないので、一旦考えないようにしました。成り行き任せというやつですね。

4は行いました。親戚筋は既に実家の状況を把握していたようで、むしろこの決定を好意的に受け止めていただいたような感じです。

5は私が担当。我が家の家計自体を私が管理していますので、この延長で母のものも行うことに。と言っても。愕然とするほど何も残っていない状況で我が家にいらっしゃったので、管理するものすら無いと言ったところでした。無駄な出費だけはあったりして、そういうものの解約やら変更に追われた感じです。

6は行いました。それほど負担ではなかったです。私もこれから高齢になった時、こんなにも自分の荷物がなくなるのだろうか?と思うほど、持ち物というものはほとんど無い状態でした。でも当然と言えば当然かもしれません。こちらの家の都合に合わせて家電・寝具など新調した方が良かったので、そうした結果ほぼ問題はなかったということです。

ここまではまずまず順調に進みました。

実家の売却に関わる大きな問題と解決策

義母の住んでいた実家なので、本来であれば義母の名義の土地を売り、売却益を義母の口座で管理すれば良いという単純な作業だけなのでしょう。しかし今回はそう簡単には行かないようです。なぜなら、義母の大失態があったから。詳細については、以前書いた日記で説明しています。

だからあれほどやめたらと忠告しておいたのに。だいたい、自分がまだ生きているのに、全部の権利を子供に託すなんて。子供と言ったって、もう立派な成人なんだし家族もある。考え方だって子供なりにあるだろうと想像できそうなもの。なぜ、自分の子供だから自分の言いなりになると思い込んだのだろうか?アホだなと。

結果、万が一のことが発生してしまい、我が子にまんまと裏切られた訳です。

本題に戻ります。売却にあたって大きな問題というのはまさにこの問題で、義母の介護や家督を一切放棄して、勝手に家出をしていったちゃん子夫婦に土地建物の名義があるということ。法律上、義母にこの実家を売る権利などありません。どうするか?ここがとんでもなく大問題なのでした

まず、我々とちゃん子夫婦の関係について、現状把握です

  1. ちゃん子夫婦とは連絡はとれる
  2. ちゃん子夫婦は、家督を継がないと決め、我が家にその一切を移譲すると言っている
  3. 実家と義母の面倒を今後もみる気はないので、全てを放棄する意思がある
  4. ちゃん子だけ、実家の権利が自分にあるので、許されるのなら自分の子供に残してあげたいと言っている

このような状態です。この時点で難航しそうなのは4の部分だけでした。そのため、このあたりの認識を再確認するべく、話し合いを行いました。

結論としては、2と3がある以上、4だけが守られるということはないと伝えました。ちゃん子自身も、そこは理解していたものの最終的に我が子の今後にという気持ちが少しだけ邪魔していたようです。

正直に言えば、どのツラ下げてそんな身勝手なこと言ってるの?という感じ。「実家を快く譲って頂いたので、お義兄さんたちに面倒をかけないように、実家と義母の面倒はしっかりこちらでみていきます。安心してください」と、義父の葬儀の後と、義父の実母の葬儀の時の2度、わかめ君からこんな話を聞かされたことを記憶しています。ちなみに、祖母の葬儀の際などは、既に義母が義父の遺産を使い果たしていたようで、金欠だったため我が家に葬儀代を貸してくれと頼まれた後でした(その際は貸さずに、香典として葬儀代の半額ほどを包みました)

そういう状況の人たちから、安心してとか、任せてなんて言われても・・・信用なんて全くできるわけないじゃん!と内心感じていました。

子供に残してあげたいと本気で思うなら、なぜ義母を捨てて自分勝手に放棄していった?なぜその時我々にひとことも相談しなかった?挙句、売れたら子供にお金をくださいと?義母の介護がこれからどれだけ続くのかわからないし、どういうレベルの介護になるのかわからないし、それにどのくらいの費用がかかっていくのかもわからない。そういう相手に全部丸投げしておいて、自分の子供にはお金を残したいだと?ジコチューもほどほどにしておけ!と思いました。

こうして、実家の売却についてはちゃん子夫婦の同意を得て、代理売買の契約をとるまでこぎつけたのでした。

ちなみに、この間の不動産業者との折衝の手間。実家の固定資産税の滞納分、公共料金の滞納分などはすべてこちらで立替を行いました。ありがとうございますのひとことも無かったな。なんで他人名義の固定資産税をこちらで立替なきゃならないのかな?と。ちゃん子夫婦もそう思わなかったのだろうか?売却したらそのお金で賄えということだろうか?

こんなにコケにされた気分になったのは久しぶりでした。

実家を整理する準備に入る

入院前、義母とは今後のある程度の方針と言いますか、身の振り方を話しあっていました。義母の中で決心していたことは、実家にはもう戻りたくないということ。正確に言うと実家の”周辺”に戻りたくないということのようでした。

我々も既に家は持っていますので、我々がそこに住むという考えはありません。他の選択肢としては、

  • 売却する
  • 賃貸にする
  • 駐車場など、投資にまわす

まず賃貸。築60年以上の古家で、接道も狭いのでお世辞にも好条件な物件ではありません。公共交通機関のアクセスもめちゃくちゃ悪い。かと言って、100坪を超えるそこそこ大きな土地なので、固定資産税など維持管理も含めるとそんなに安売りするような条件は出せないだろうなということ。自分たちが借りたいと思わないものは、他の人も借りないよなということでこれはすぐに候補から消えました。

次に投資物件として管理すること。これも少し考えましたけど、賃貸と同じ理由で、あまり良い立地条件ではないものに、例えばアパートなどを建てたとしても、どのくらいで回収できるのだろうか?ということ。部屋が埋まらなければプレッシャーになるだけですし。よってこれも候補から脱落。ということで消去法的に売却しかなくなりました。どうせなら早く売った方が無駄な維持管理もしなくて済みます。というわけで早速実家の売却に向けた整理に動くことになりました。

介護って、単純に人の面倒をみるだけではないところが手間がかかるところだと思います。介護する人が背負ってきた人生そのものを引き継ぐようなものだなと、この時少しだけ感じました。

突然、介護をする側になってしまった

正直、全く想定していなかったことが起こりました。まさか親の、しかも義理の親の介護をすることになろうとは夢にも思っていませんでした。なぜこういうことになったのか?ということを説明しなければと思うのですが、混み入った話でわかりづらくなるので、努めて簡単にします。

元々、義母は義父と義父の実母と3人で実家暮らしをしていました。そこに結婚して出て行っていた妹(以下ちゃん子)が妊娠したのをきっかけに、実家に戻ることになったようです。

事実関係はいまだに謎なのですが、ちゃん子側の話では、当時ちゃん子の夫(以下わかめ君)が良くて週に1度程度しか家に帰って来れない仕事に就いていたので、ちゃん子の生活を見兼ねた義母が実家に呼び寄せたということ。一方、義母側の話ですと、ちゃん子が生活に困ってしまったので、勝手に実家に転がり込んできたということでした。どちらが本当なのかわかりませんし、どうでも良いですがとにかくそういう経緯で3世代同居がスタートしたようです。

元々、わかめ君は婿養子として実家に入ったようで、我々としては、同居をはじめたことに違和感はありませんでした。ゆくゆくは家督を継ぐ意思があるのだろうと。事実、義父が亡くなる直前には、養子縁組の話まであったということですから(この話は、直前で義父がわかめ君に不信感を抱いたのがきっかけで破談となったそうです)

やがて義父が他界、その数年後に義父の実母も他界しました。結果ちゃん子夫婦とその子供、義母での4人暮らしになりました。義父が亡くなった時点で、義母が禁じ手を行います。土地建物を生前贈与でちゃん子に譲ってしまいました。

「おかあさん。権利を生前贈与(我々の場合は、遺産分割協議)するということは、デメリットの方が大きいから止めた方が良いよ。もし万が一があったらおかあさんにこの家は戻ってこないからね」

「どく君の話はわかるよ。もしちゃん子に裏切られても、その時は諦めるから。これは私の決定だから、あなたたちがなんと言おうとも変わらないし、文句は言わせないからね。面倒をみるのはちゃん子たちなんだから、あんたたちには口出しさせない」

というようなものでした。この時の義母の威圧感が凄かったことを今でも覚えています。我々がとやかく言いすぎるのも嫌でしたし。実家のことに我々が踏み込みすぎると、財産目当てなのか?的な不信感を抱かれるのも迷惑だったので。と言うわけで、不本意でしたし、不安しかありませんでしたが義母の言うとおり、この生前贈与に同意したわけです

ここから負のループのスタート。面倒なので時系列で箇条書きにします

  1. 実家がちゃん子名義になった
  2. 義母がわかめ君に不信感を抱くようになった
  3. 偶然郵便できた土地売却のチラシに、義母が反応し、ちゃん子たちが家を売ろうとしていると疑心暗鬼
  4. そこから数年、ずっとそのことをちゃん子に愚痴る
  5. ちゃん子の持病が悪化
  6. 義母がわかめ君に暴言を吐いたことが発端で、わかめ君がちゃん子と子供を置いて家出
  7. わかめ君はもう実家には戻らないと宣言。ちゃん子は家族が壊れたのは義母のせいだと義母を糾弾。その後、義母とちゃん子の間で紛争勃発
  8. 義母は「権利書を置いて家から出て行け」とちゃん子に詰め寄り、ちゃん子は「お母さんが出て行って」というような押し問答が続く
  9. ちゃん子が家を出て行った
  10. しばらくして義母に異変が起き、現在に至る

こういう経緯を経て現在に至ります。ちなみにこの話は双方から断片的に聞いた言い分を元にまとめてあります。典型的な遺産相続のトラブルですよね。

だからあれだけ言っただろ!って思いました。裏切られて良くなかったんじゃん?カッコイイことなんていくらでも言えるんだよ。本当にこう思いました。だって、この火の粉が我々に飛んできたから。いい迷惑ですよね。