介護サービス担当会議

年一回の介護サービスのスタッフ会議がありました。利用者を交えて今後の介護方針を検討していくという会議です。これ結構大切だと思います。

定期的に利用しているとはいえ、施設側の担当スタッフさんも固定ではありません。毎回違うスタッフさんになったりする場合、母とは初対面になったりすることもあります。その際、利用者がどんな人物なのか、どんな症状であるのか、どんな癖があるのかなどを把握しておくことは介護サービス事業者さんにも共通の認識を持ってもらう点において大切なことだと思います。

では具体的になにを伝えるべきなのか?

義母のことを例としてみます。幻聴がなくなったと訴えていること。そのかわりに作話と妄想が増えていること。コミュニケーション能力が低下したこと。判断力が低下したこと。母を“取り扱う”時に介護する側が判断する材料として重要になるだろうことをお伝えするわけです。

  • 物忘れが多い
  • 記憶に問題はない
  • 幻聴がほぼない
  • 作話・妄想が多い
  • 自分に都合が悪いことは隠す
  • 衝動的行動が多い
  • イレギュラーなことにパニックを起こす傾向がある
  • 特に腕を使う行動に困難がある
  • お漏らしが増えた
  • 難聴がひどく、聞こえていないのにわかったふりをする
  • 会話の理解力が低い。複数の話題があるものは筆談がベスト

義母の現状はこんな感じです。

これがわかっていると、介護する場面で何か問題があったときに、この人はこういう傾向があるからこうかも?というように、対応方法を予測することが容易になると思います。

介護に疲弊してくると、「どうでも良いかな」なんて考えがちになりますよね?私はなりますよ。だけどそれをそのままどうでもよくしていると、結果的に伝達不足が蓄積されて結果としてやらなくても良い作業に振り回されていくという悪循環に陥るはずです。やらなくても良い作業というのは、義母についての情報が不十分で、いちいち確認を求められたりすることです。こういうの結構多いです。お漏らしの件がいい例だと思います。最近、連発してお漏らしが増えている、その原因は下り腹になることがあるから。本人はなかなか言わないので、当面の間、促しを行ってもらうと良いと思う。これを伝えておけば、デイサービスさんのスタッフさんの間で共有してもらえて、スムーズな対応をしてもらえたりします。

ちょっとしたことですが、それが大事なのかなと思います。スタッフさんと面談することがあれば、恥ずかしい、面倒などと思わず、ありのままの利用者の情報を細かすぎるほど伝えておくと良いかと思います。

ちなみに、こういう場面で適当にあしらうような業者は、その後もそのような対応になりますので、少しでも違和感を感じるサービス事業者であれば早いうちにチェンジした方が良いということもお伝えしておきたいです。

デイサービスでのセクハラ事件?

義母がデイサービスから帰ってきました。帰宅後、デイサービスでの行動チェックとリハビリもかねてその日あったことの振り返りをすることにしています。

「今日はデイサービスで何をしたの?」

「いつものリハビリ。疲れた」

「いつも体を動かさないんだから、たまには疲れる日があっても良いと思うよ。他には何をしたの?

「頭の体操」

「いいね」

とこんな感じの何気ない話をします。いつもと変わりはないなと思ったので話を止めて仕事に戻ろうとしたら、突然呼び止められた。

「あのさ。言いづらいんだけど聞いてもらえる?」

「どうしたの?」

「デイサービスの入浴あるでしょ?スタッフさんに大事なところ洗ってもらったんだけど、指が・・・」

「え?」

「どく君も見たことあるスタッフさんだよ。男の人ね」

「あー。わかるわかる。その人にされたの?

「そうなの。悔しくてさ。お父さん(私の義父)にも触らせたことないのに。送迎の時にも腕組んできたりするのよ。気持ち悪いんだよね・・・

「そーなんだ」

こんな内容でした。事実か作話か判断が難しい話です。というのも義母の作り話はとても上手だったから。今までも数え切れないほどの作り話を聞いてきました。これを妻は妄想と言います。作話?妄想?義母はどちらの症状も共存していると思いますが、今回の件は作話なのかなと思う。なぜなら事実だろうなと思われることがベースになっているから。

念のためデイサービスへ連絡し、義母が訴えた話を伝えました。施設側でも保健師さんに同様の訴えをしていたようでしたが、指が・・・という話は言っていなかったようです。話しをする都度、内容が膨らんでいくのも義母の話の特徴です。

この時デイサービス側での入浴の流れも確認しましたが、義母以外の利用者さんすべてに対して同様のサービスを行っていることが確認できました。他の事実関係も確認したところで客観的にみれば、特に不審な点はなかったです。

恐らく男性スタッフに体を洗ってもらい、大事な部分も洗ってもらったまでは事実。その際、どうしても触ってしまう陰部に触れたのを義母が過剰に反応。そもそも腕を組んだりするのが嫌だと思うほどそのスタッフさんにあまり好意を持っていなかったようなので、なおさら意識して嫌悪してしまったのだと思う。そこから指が・・・という話になってしまったのではないかと推測。

しかし、100%嘘という断言もできないので、謎は残ります。

毎回呼吸をするように作り話をする人が、たまに本当のことを言ったとしてもなかなか信用してもらえないです。聞く側としては「また作り話じゃないの?」と疑うことからはじめてしまいますから。

だから作り話や嘘は良くないんだよ!って言ってるのですけど。

かと言って、中立的な立場でこの話を考えた時、全く無い話だとは断言できませんよね?もしかして義母の訴えは本当なのかもしれません。そして本当だとしたら確かに許せない行為なはずです。本当に、こういう話を聞くと心がザワザワします。虐待や言葉の暴力なども、もしかしたらこうやって閉鎖された空間ならば起こりうることですし。私としては、義母が通っている事業者さんの姿勢は常に見ていますし、信頼を損ねるような対応を感じたことはありません。今回の問い合わせに対しての対応についても、事実関係を正しく把握されていて、適切な対策をすぐに取っていただきました。

しばらく様子を見てみようと思います。

要介護認定ってどんな仕組みなのだろうか

要介護認定について。私も正直サラッとしか理解していません。このあたりで自分の備忘録として整理してみようと思います。

要介護状態、要介護者の定義

身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。

※厚生労働省令で定める期間:原則6ヵ月

【引用元】厚生労働省 要介護認定に係る法令

これを見ていると、介護の必要の程度に応じて厚労省が定める区分(要介護状態区分)に要支援状態は除くとあります。

要支援状態、要支援者の定義

身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について厚生労働省令で定める期間にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために厚生労働省令で定める期間にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であって、支援の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要支援状態区分)のいずれかに該当するものをいう。

※厚生労働省令で定める期間:原則6ヵ月

【引用元】厚生労働省 要介護認定に係る法令

???みなさんはこの要支援と要介護の定義の明確な違いがわかりますでしょうか?私はわかりません。この法令を見ただけではどちらも同じにしか見えないという・・・読解力不足で申し訳ないですという感じです。まあ、これはこれでスルーで良いかなと思います。

要介護(要支援)認定について

  • 介護(予防)給付を受けようとする被保険者は要介護(要支援)者に該当すること及びその該当する要介護(要支援)状態区分について市町村の認定を受けなければならない。(法第19条第1項及び第2項)
  • 介護認定審査会は、審査及び判定を求められたときは、厚生労働大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知する(法第27条第5項)
  • ※ 厚生労働大臣が定める基準:要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令
  • 市町村は法第27条第5項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護(要支援)認定をしたときは、その結果を当該被保険者に通知しなければならない。(法第27条第7項及び第32条第6項)
【引用元】厚生労働省 要介護認定に係る法令

要介護認定についてのことですね。特筆すべき点はないと思います。認定調査とはまさにこのように行われます。

認定調査等の位置づけ

市町村は、被保険者から要介護認定等の申請があったときは、当該職員をして、当該申請に係る被保険者に面接させ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生労働省令で定める事項について調査させる。(法第27条第2項)

  • ※ 厚生労働省令で定める事項:要介護認定申請に係る被保険者の病状及び当該者が現に受けている医療の状況
【引用元】厚生労働省 要介護認定に係る法令

「主治医意見書」について

 市町村は、被保険者から要介護認定の申請があったときは、主治医に対して、身体上又は精神上の障害の原因である疾病又は負傷の状況等について、意見を求める(法第27条第3項)

【引用元】厚生労働省 要介護認定に係る法令

この認定調査の位置づけと主治医意見書についてはセットになっています。私の義母の場合、精神状態についてはまさに主治医じゃないと判断できません。我が家の義母の場合、担当ケアマネさんから介護認定実施のスケジュール調整→認定調査員来訪→(たぶんここで主治医意見書をバックグラウンドでやりとりしているとお思う)→認定結果の通知という流れを辿っていると思います。よくわかりませんが、たぶんこれで正解。今度詳しく聞いてみようと思います。

この後に続く、認定調査会についてや判定の位置づけなどは割愛します。一時判定にはコンピューター判定も導入されているようですから、調査結果が点数換算されて審査されるように思います。客観的にみても確かにこうしないと審査会の担当官の主観次第で判定結果に差が出て困ることになるでしょうから、こちらからすればある意味安心ではありますよね。

要介護度区分とサービス利用上限

要介護認定を受け認定が下りると、各種介護サービスが利用できるようになります。前述したように、認定自体が市区町村ごとの管轄になるため、サービス単位(費用)同様市区町村ごとに違ってきます。

区分1ヶ月あたりの利用限度単位
要支援15,032単位
要支援210,531単位
要介護116,765単位
要介護219,705単位
要介護327,048単位
要介護430,938単位
要介護536,217単位
【参考】大阪市 居宅サービス等の限度額について 2023年時点

大阪市の例を参考にさせていただきました。だいたい他市区町村もこれと同等といったところです。大阪市の場合、この単位に11.12円をかけたものがサービス費用となりますので、例えば要支援1ならば5,032(単位)×11.12円=55,955円となり、月額約5.6万円までサービス利用ができますよ〜!ということになります。

これは私のような介護初心者あるあるだと思いますが、介護サービスは全て単位システムで計算されるので、利用料金表をパッとみた瞬間に混乱することがよくあるというところかなと思います。義母がデイサービスを1日利用した場合の負担額をみてみましょう。

要介護2(1割負担)
通常規模型通所介護費(6~7時間のサービス提供)686単位
入浴加算40単位
個別機能訓練56単位
合計(単位合計)782単位
(A)合計(782単位×11.2円)8,758円(サービス利用料金)
(A)の1割負担(義母の場合)875円(本人負担額)(B)
食事代(昼食1食分)650円(本人負担額)(C)
1回のデイサービス利用料金合計(B)+(C)1,525円
2023年時点

こんな感じになります。現在機能改善などオプションメニューを使っていますので、もう少し金額が上がりますが、だいたいこんな感じです。これを週に2回通所しているので、月8回通所でだいたい1.2万円ということになります。1割負担じゃない方、たぶんお金持ちの方などだと思いますが、そうすると自己負担2~3割になったりするので、その分本人負担額が変わるということになります。

さらに混乱するのが、サービス利用料金の表示方法が各施設によって異なることがあること。サービス利用料金だけを表示するところや、1割負担金額までを掲載してくれるところなど。さらにさらに混乱するのが、1割負担の方の場合としながらサービス利用料金の全額を表示されている施設さんなどもたまにあります。「で、どっちなの?」みたいな感じになります。ページを作り間違えているのかな?とか思ったりします。

いずれにしても、最終的にはケアマネさんを通しての施設利用になりますから、正確な費用がわかった状態でサービス開始となりますので、心配は必要ありません。

宅食サービスのお試しと、即却下までの流れ

義母には調理などはさせていません。理由はたくさんあります。

  • 生物を触る前に手を洗わない
  • 全てが不衛生で作っても食べたくないから
  • めっちゃ時間がかかるので無理
  • 糖質と塩分管理などできない

ということで、朝昼は前日に作り置きしたものをいくつかローテーションして提供し、夕飯のみ家族分とまとめて出すという仕組みにしています。ですが、私も在宅ワーカーなので、夕飯時に忙しいときなどはとてもじゃないけど夕飯作りどころではない時もあります。こういう時のサポートがないかと、ケアマネージャーさんに相談したところ、宅食サービスを紹介されました。

早速お試しをしてみました。問題点は以下のとおり

  1. 宅食サービスの多くが冷凍状態で配達されるが、レンジでの温め時間の違いや調味料を外すなどの細かな設定があるので、これを覚えるのは義母には不可能だった。
  2. 宅配サービスは専用ボックスへ入れて行ったり、チャイムを鳴らして手渡しという配達方法だった。義母は難聴でほぼ来客がわからないことと、ボックスへ配達されてもそれ自体を忘れる可能性が高いことに気がついた。

よってNG。結論は早かったです。少しでも楽をしようと企んだ私がバカでした。

義母、訪問看護サービスを開始

義母は口を開く度に、「ここが痛い、そこが痛い」と言うので、まずはリハビリをしないとダメかなと思い介護サービスを利用して訪問看護をお願いしてみました。時間は1時間。隔週で来ていただくことになりました。

「体の具合はどうですか?」

「なんか、ここが痛いの〜」

「そうですか〜。ではマッサージしていきましょうね」

「ありがとうございます」

うちの子供が小さな頃に接していたような感覚に似ているなと思いました。体調の他、看護師さんなので体調管理はもちろん、心のケアというかお話を聞いてもらって今の精神状態をチェックするなんてこともお願いできました。我々身内には話さないけど、自分が感じている不安などを口にすることがあるらしく、看護師さんから聞かされる話は少し新鮮でもありました。

しかし!聞いていると中には事実と全く違う話が含まれていて、自分を美化している部分が多くて少しイラッとすることも多かったです。

「自分のことはなんでも自分でできます。なんか年寄り扱いされて困っちゃうわね〜」

こんなことも話していたそうです。全くできてないだろ!と。

あまりにも現実離れした内容にはイライラするものの、義母にもガス抜きが必要ということでしょうから、許容することにしています。勝手に言ってろと心の中で思うだけにして。