義母としては事実、私からすれば作り話

宅配便の業者さんがきました。運悪く誰も手が離せなかったので、宅配BOXに投函して帰っていきました。宅配業者さんが去る音が聞こえてしばらくして、玄関が開く音がしました。たぶん義母が開けたのだと理解しました。その後しばらくしてリビングに母がきました。

「今、運送会社の人がポストに何か入れていったよ」

「そうね。玄関わきの宅配ボックスだよね?」

「そう。なんか右往左往してたわよ」

「いや、してないよ。宅配ボックスに入れていっただけなんだよ」

「話かけたら、留守だと思ってどこに入れたら良いか迷っていたって言ってた」

「話?・・・していないよね?誰も玄関開けて対応していなかったのは知ってるんだけど。お義母さんも出ていないでしょ?業者さんが居なくなってから出たんじゃないのかな?」

「なんか・・・わかんない」

この話、事実は応答がなかったので宅配ボックスに入れたというところまでです。宅配業者さんは右往左往していないし、迷わず宅配ボックスに入れていきました。そして、業者さんが既にいなくなってから母が玄関を開けたので、既に誰も居なかったはず。

この程度の話なら誰も困りませんし、誰の迷惑にもならないのでまあまあ・・・と言う話です。だけどこれが原因で今までいろんな出来事が一大事に発展してきた経緯があります。いままでずっと義母のことを見てきましたが、彼女は事実に自分の想像、というか妄想?を付け加えることが好きなようです。これは大変困りものなのですが、どうすることもできません。やめてと言ったところで、本人にとってはこれが事実と思い込んで話をしているので、作り話をしている感覚がないからです。

難しい問題です。

デイサービスでのセクハラ事件?

義母がデイサービスから帰ってきました。帰宅後、デイサービスでの行動チェックとリハビリもかねてその日あったことの振り返りをすることにしています。

「今日はデイサービスで何をしたの?」

「いつものリハビリ。疲れた」

「いつも体を動かさないんだから、たまには疲れる日があっても良いと思うよ。他には何をしたの?

「頭の体操」

「いいね」

とこんな感じの何気ない話をします。いつもと変わりはないなと思ったので話を止めて仕事に戻ろうとしたら、突然呼び止められた。

「あのさ。言いづらいんだけど聞いてもらえる?」

「どうしたの?」

「デイサービスの入浴あるでしょ?スタッフさんに大事なところ洗ってもらったんだけど、指が・・・」

「え?」

「どく君も見たことあるスタッフさんだよ。男の人ね」

「あー。わかるわかる。その人にされたの?

「そうなの。悔しくてさ。お父さん(私の義父)にも触らせたことないのに。送迎の時にも腕組んできたりするのよ。気持ち悪いんだよね・・・

「そーなんだ」

こんな内容でした。事実か作話か判断が難しい話です。というのも義母の作り話はとても上手だったから。今までも数え切れないほどの作り話を聞いてきました。これを妻は妄想と言います。作話?妄想?義母はどちらの症状も共存していると思いますが、今回の件は作話なのかなと思う。なぜなら事実だろうなと思われることがベースになっているから。

念のためデイサービスへ連絡し、義母が訴えた話を伝えました。施設側でも保健師さんに同様の訴えをしていたようでしたが、指が・・・という話は言っていなかったようです。話しをする都度、内容が膨らんでいくのも義母の話の特徴です。

この時デイサービス側での入浴の流れも確認しましたが、義母以外の利用者さんすべてに対して同様のサービスを行っていることが確認できました。他の事実関係も確認したところで客観的にみれば、特に不審な点はなかったです。

恐らく男性スタッフに体を洗ってもらい、大事な部分も洗ってもらったまでは事実。その際、どうしても触ってしまう陰部に触れたのを義母が過剰に反応。そもそも腕を組んだりするのが嫌だと思うほどそのスタッフさんにあまり好意を持っていなかったようなので、なおさら意識して嫌悪してしまったのだと思う。そこから指が・・・という話になってしまったのではないかと推測。

しかし、100%嘘という断言もできないので、謎は残ります。

毎回呼吸をするように作り話をする人が、たまに本当のことを言ったとしてもなかなか信用してもらえないです。聞く側としては「また作り話じゃないの?」と疑うことからはじめてしまいますから。

だから作り話や嘘は良くないんだよ!って言ってるのですけど。

かと言って、中立的な立場でこの話を考えた時、全く無い話だとは断言できませんよね?もしかして義母の訴えは本当なのかもしれません。そして本当だとしたら確かに許せない行為なはずです。本当に、こういう話を聞くと心がザワザワします。虐待や言葉の暴力なども、もしかしたらこうやって閉鎖された空間ならば起こりうることですし。私としては、義母が通っている事業者さんの姿勢は常に見ていますし、信頼を損ねるような対応を感じたことはありません。今回の問い合わせに対しての対応についても、事実関係を正しく把握されていて、適切な対策をすぐに取っていただきました。

しばらく様子を見てみようと思います。

健康保険証が盗まれたと義母の訴え

義母の健康保険証が見当たらなくなりました。確か直近で使ったのは義母が歯医者へ通った時だったよなと思い出しました。歯医者だけは義母ひとりで通えるようになっていました。

「お義母さん、自分で保険証使ったよね?」

「そうなのよね。どこにやったのかしら?」

「渡した保険証袋に入れなかったの?」

「入れたと思ったんだけど」

「バッグの中は?」

「探したけどないの」

「落としたとか?」

「わからない」

こんなやりとりをしました。これは日常茶飯事だったので、毎回注意していたがまたしても物忘れ。義母の悪いところは、同じところに物を戻さないところ。これは義母に限らず物をよく無くす人の典型的な悪癖なんだと思います。決まったところに戻す。これで物の紛失は減ります。そんなことをしていたら義母が突然

「たぶん、大工さんじゃないかしら?持っていったのかも」

「は?」

「ここ何回か出入りしてたから」

「リフォームしているからね。そりゃ出入りするよね」

「さっきここにいた人だと思うんだよね」

5月のGW明けから、我が家でリフォームがはじまっていました。そのため工務店さんが出入りしていたのです。

「・・・あのさ。そういう根拠のない話はやめてくれない。だいたい大工さんが今二階にいるのに、聞こえたら失礼だと思わないの?証拠もないのに泥棒扱いするわけ?だいいち、あなたの保険証盗んだとして、何に使うの?意味ないじゃん」

「だって・・・」

「だってじゃないから」

「あらそう?」

「もう一度探すから。泥棒扱いとかするって良く無いよ」

「わかった」

内心「お前が失くしただけだろ」と思っていました。義母の押入れを探してみました。いつも使っているバッグのポケットをもう一度探す。あれ、あるじゃん!

「あったよ」

「え?どこに。良かった〜」

「バッグにあったけど」

「誰の?」

「あなたのに決まってるでしょ!他に誰のバッグがあるのよ」

「ごめんね〜」

「謝るなら、疑った大工さんに言って。自分の物忘れを棚にあげて人を疑うなんて、人として終わってるからね。やめなさいよそういうの」

「そうだね。なんか私オカシイよね」

今頃気づくな。一件落着でした。

義母、こっそりとつまみ食いが多発

最近、やたらとお菓子の減りが早いことに気がつきました。それとコーヒー飲料や、果物も。原因はすぐに理解できましたが、一応裏付けを取りたかったので義母の素行調査を開始しました。

調査は簡単です。ゴミ箱を見ればわかります。義母なりに隠そうと思ったのか、お菓子を入れておくストック棚は、数が減ったことがわかりづらいように偽装されていた形跡もありましたけど、ゴミについてはどうしても隠せないですからね。お菓子なら包装が、果物なら皮が出たり。その結果、1日に食べている量がどうやらかなりの量になっていることが判明。週で調べていたのですが、どんどん増えていくようでした。

何度も書いているのでいまさらですが、義母は糖尿病で通院しながら、心筋梗塞未遂なども起こして食事指導を受けている身です。再三医師から注意を受けているので本人も十分理解していると思います。

「お義母さん。最近、何か食べてるよね?」

「え?食べてない」

「本当?お菓子とか食べてないの?」

「食べてないよ」

「ゴミ箱のお菓子のゴミと、スティックコーヒーは誰が飲んだんだろうね?今日、ゴミ出ししてから、俺とお義母しかこの家にいないんだけどね。泥棒入って食べていったのかな?」

「・・・ごめん。どうしても食べたくなって、止まらなくなってしまって」

「お義母さん。自分が糖尿病って知ってるよね?」

「薬飲んでいれば、何食べても大丈夫って言われているよ、先生から」

「医者がそう言ったの?」

「そう。〇〇先生が」

「そんなことあるんだ・・・。ならなんで糖尿病患者の食事管理なんて本まで渡されるんだろうね?」

「わからない。薬飲んでいれば大丈夫だって先生言ってたから」

「ちなみに、今一緒に通っているけど、先生そんなこと言ってないし、むしろ食べ物大丈夫ですか?って聞かれたけどね」

「そう?私は聞いてないよ。」

「甘い物とか納豆とかさ。普通に隠れて食べているみたいだけど、それダメって言われたでしょ?この間もさ」

「聞こえなかったかもしれない」

「都合の良い難聴だもんね」

もうこれ以上は無理でした。意固地になって、話が先に進みません。本当に困ったちゃんですね。この後日、ちょっとした騒動があることは予期できませんでした。

これ、日々介護している人や、通院付き添いしている人とかには理解してもらえる感覚かと思いますが、本人が病気になってもこちらが知ったことではないし、何を食べても構わないと思います。本人の体だから。ただし!それは自分で完結できる人だけの特権ね!ということ。家族の付き添いなしに通院もできず、時間を割かせて介護させている分際で「何食べても文句ないだろ!」とか「私の人生だ!」は言える立場ではないということです。人の手を借りないと生きられなくなったのなら、立場を弁えろと言いたいです。

義母の人物や病気について

先日、入院することになった義母について話してみたいと思います。

義母の基本情報

  • 70代後半
  • 155cm/40kg程度。痩せ型
  • 夫(私からすると義父)(8年前に他界)
  • 趣味:食べること・テレビを見ること
  • 性格;温厚
  • 長所:滅多に怒らない。常にフラットな感情なところ。人の世話を焼くのが好き
  • 短所:天然ボケ・不衛生・余計な一言がとても多い・奇行

私からみた義母はこのような人物だと思います。同居する前の印象は、温厚な人柄で、天然ボケだけど悪意がない人という感じでした。同居後も義母に変化はありませんが、私の主観だけが180度変わっただけです。この話は追々していくことにします。

義母の病歴

  • 妄想性障害(通院・治療中)
  • 糖尿病(通院・治療中)
  • 関節リウマチ(通院・治療中)
  • 難聴(定期検査で通院中)
  • 心筋梗塞(通院中・年1回の定期検査)
  • 歯肉炎(治療済みで定期検査で通院中)

この中で、特に影響があるものは妄想性障害だと思います。他の病気については、治療・対処をすればどうにかなるものですし、周囲に大きな迷惑がかかるような病気ではありませんので。ただ、精神疾患だけは違うんですね。これは本当に厄介ですし、周囲も振り回されるということを、身を以て体験することになりました。病気の話についても、介護の日記上で嫌というほど書いていくので、追々お話していきたいと思います。

義母の家で“怪奇現象”を調査してきた結果

実家の状況を確認しに行きました。まずは家の外と隣のアパートからチェック。家の様子は全く何も変わっていない。雲の巣や雑草が私の背丈ほどに生い茂っている状態。普段ならこまめに庭の手入れもしていたと思いますが、これには少し違和感も覚えました。よほど余裕がないのかな?と。

隣のアパートですが、義母の言うような”拡声器”、私が判断するに“スピーカー”のことだと思いますが、そういう類のものはアパートのどこを探しても見つかりませんでした。当然そうだろうなと。

この時まで、私の頭の片隅には義母の様子や言動への疑念がありました。話や様子がいつもと違うし、話の内容も破綻していること。もしかして精神的なストレスなど、何かそちらの病気なのではないか?ということです。それが確信に変わったのはこの時でした。

「おかあさん、特に変なところはないと思うよ。音だって聞こえないし」

義母にこう話をしてみたところ、返事が返ってきました

「そうかしら?ほら、聞こえない?ゴーンゴーンって」

「ほら、私の名前を叫んで「お前が悪いー!」って叫んでるでしょ?」

「怖いわ〜」


妻と顔を見合わせた瞬間、二人とも何か言いたかったのですが、阿吽の呼吸でこの場をおさめることに終始しました。この時、義母が壊れそうな雰囲気だったからでしょう。

「おかあさん。一旦落ち着きましょう。とにかく何もないよ」

「ところでちゃん子はどこに居るの?いつものお出かけ?」

「え?ちゃん子は今居ないわよ。どこに居るのかしら?」

「え〜〜〜?いつから居ないの?」

「夏頃だったかな・・・」

「どこに行くのかも言わずに出てったの?」


「そう。私と口論ばかりしていて。嫌になったんでしょきっと。たぶん旦那(以下わかめ君)のところに行ったのかな〜」

「私にここ出て行け〜!って包丁をつきつけてきたり、すれ違う時にドン!と押してきたりして、わたし倒れそうになったりしたからさ。そういうことしてたんだよ、ちゃん子は」

「へ〜。ずいぶんだね」

「ところでおかあさん。まだ声とか音聞こえる?」

「あれ?今は聞こえない。あ〜良かった。今までずっと聞こえていたんだけどね。どく君のおかげだね。ありがとうね」

「まずは落ち着こうね。音は聞こえないから、安心して」


「わかった。でも夜になるとまたやり始めるからね。太鼓ドンドンと。玄関にたってわたしの名前を叫んで「出てこい!」とか言うからさ。怖いのよ」

「安心して」

「わかった」

衝撃的な展開でした。ちゃん子とわかめ君と義母についての騒動は、長い話になるのでまた機会を改めて書いてみます。

それにしても義母。やばいな!と瞬時に気が付きました。これは大事になりそうだなと。不安な要素が見えすぎて気持ちが暗くなってしまいました。