補聴器の電池、切れる前に教えてください

「どく君、悪いんだけど頼みがあります」

「なんでしょうか?」

「これ買って欲しいのね」

義母からリストを渡されました。大半が家のストックにあるものでしたが、ひとつだけ補聴器の電池がない。買わなければなりません。義母とのコミュニケーションの生命線ですので。

「在庫は?」

「今入れてるやつで最後。大丈夫朝に変えたばかりだから」

「いや・・・私買いに行く暇ないから、ネットで注文するので届くのに数日かかるよ」

「???」

「県外の遠くの業者さんに注文するから、届くの時間かかるの」

「あ〜そう」

実際、近くの補聴器を扱うお店を探せば電池くらいあるのでしょうけど。今は探す時間すらないくらいちょっと忙しいので、今回もネットで注文しました。私も、いちいち揚げ足とるような性格になってきていますが、私の場合、あと一つのところでバタバタするのが嫌な性格なので、それが無いと生活に困るような重要なアイテムの場合、最低でも1週間は間に合うようなスケジュールで補充を行います。

義母に求めるのは酷なのでしょうけども。こういう小さな小さなイレギュラーが、積み重なって大きなストレスになっていくのを、本人は理解していないのでしょう。良いなぁ・・・マイペースで人のこと考えるということを知らない人って。これはイヤミです。

義母のお部屋がいつも臭う原因を探る

人は誰しも臭う・・・。ちなみに私も臭います。自分でもわかるので、注意していますがそれでも体臭と言いますか加齢臭と言いますか、油のような?臭いはなかなか消えません。自分なりに対策をしていますが、こればかりはなんともならないというか。

義母も高齢なので、それなりに老人独特の臭いはあると思います。それ自体は特に問題ではないです。不快な臭いではありませんので。ただし、不注意や怠慢でのそれならば話はちょっと違ってきますよね。今回はそんな話です。

  • 自室のゴミ箱に生理用品の使用済みを捨てる。蓋がないゴミ箱
  • ゴミの日を教えているけど、自分で捨てるという感覚がない
  • 衣類を洗濯に出すことを忘れている
  • 歯磨きを忘れて寝る

義母に注意してもらいたい事柄は上のような感じのものです。もう何度も書いてきましたが、やはり基本的な衛生観念がどこか欠落しているというか。病気の影響なのかわかりませんが、とにかく身の回りを綺麗に保つという行動を何もしないというのが義母なので、放置していればどんどん汚れていく一方という感じです。これでは密閉された6畳の空間もいろいろな臭いが溜まっていくのは当然なのでしょう。

「お義母さん。いくつかお願いがあります」

「なあに?」

「あのね。もう少し身の回りの整頓に気を配ってもらえないかな?。例えばパジャマ。いつになったら洗濯に出すの?」

「1週間ごとで良いかなと思ってた」

「その1週間すら全く洗濯に出していないの気がついてる?」

「え?そうかしら?」

「だって。私毎回洗濯物片付けているけど、見たことないから」

「あら、嫌だわね。気を付けるから」

「それと。ここのゴミ箱に生理用品の使ったのを捨てるのやめてもらえない?。ゴミ箱だけじゃなくて、部屋中変な臭いが漂うのね」

「そうなんだ・・・ごめんね。」

「ここで変えているのだろうけど、トイレでやってくれない?」

「わかった」

「それとゴミ捨て。自分ではできないかな?」

「なんか、いっぱいになってからで良いかなと思って」

「そうか・・・。お義母さん、タンとかツバとか鼻水とか目ヤニとか頻繁にティッシュでとっているけど、そういうものも臭いがあるのね。時間経つとさらに臭うからさ。週に二回ゴミの日だから、必ず出してほしいのね」

「わかった。今度からやるね」

「あと歯磨き忘れないように。最近ほとんど忘れていないけど。忘れていると結構臭うからね」

「わかった。なんか私いろいろ忘れて自分でも嫌になってくる」

正直、私も妻の親に対してこういうデリケートな話題の注意なんてしたくありません。しかし、妻はもともと義母が同居する前から自分の親とのコミュニケーションが上手だったわけではなくて、むしろ常に距離をとっていた感すら見られました。なので同居がはじまってもそれは変わらず。むしろさらに距離をとるようになりました。

となれば、管理するのは私しかいないわけです。まあ、私は義母とは他人なので、案外言いづらい話もザックリ切り込むことに躊躇はありませんので、適任なのはむしろ私になるのかもしれませんけど。それにしても・・・「お義母さん、臭うよ」というのは、やっぱり何度も何度も言いたくないよなと。できれば一度言ったらわかってもらって以後は自分で注意してほしいところなのですが、それは義母の物忘れによって毎回リセットされる感じです。

これも難しい問題です。

義母の1日のルーティン

  • 7時30分:起床(不安定。音が聞こえないので、曇りの日などは起きてこないことも)
  • 8時00分:食事。ご飯と服薬、歯磨き(ほぼ忘れています)など含めて30分
  • 9時00分〜:自室でテレビと昼寝(音は聞こえないので消音で。ずっと画面を見続けています)
  • 12時00分:昼食
  • 13時00分〜:自室でテレビとか昼寝
  • 16時30分:シャワー
  • 17時15分:夕飯(服薬と歯磨きなど含め45分ほど)
  • 18時30分:就寝

これを土日も含めてず〜〜〜〜とやっています。運動しないの?と声かけすれば、10分程度のお散歩をしますが、外に怯えている様子なので自発的にはしたがらないです。おかげでというか、足腰が弱ってしまってどうしようもない。同居開始当初よりはだいぶマシになりましたが、それでも摺り足で歩くので、いつ転ぶのかな?と心配になるくらいです。ちなみに、杖は使いたくないそうです。理由は?老人くさいからだそうです。

「誰がどうみても、老人にしかみえないよ。意地張らないで一度使ってみたら?」

「嫌だわ〜」

「強制はしないけど。転んで骨折でもしたら大変になるからね(私が)」

「大丈夫。受け身は取れるから」

「その受け身、リウマチで痺れてる手で受けるんでしょ?(爆笑)」

「大丈夫。杖はいらない」

「はい。わかりました」

義母の1日の行動をみていると、これでは精神も病むよな!と感じてしまいます。誰とも会話せず、食べて寝てテレビ見ているだけの生活。植物のようですね。何が楽しいんだろうか?時間はたくさんあるのだから、何かやってみるとか考えないのかな?と。

一度、お小遣いを渡すから、買い物散歩してみては?と行かせてみました。自分が食べられるものを買ってきてねと。帰ってきて愕然としたのは、誰が食べるんだ?というほどの大容量の味噌汁の具と、あんこがたくさん入った月餅持ちのようなお菓子。大容量のインスタントしじみ汁。これでちょうど渡したお金を使い切ってきました。

「買うものなくて、こういうの買ってきた」

「・・・え〜・・・そうなんだ・・・」

「みんな食べるかなと思って」

「え?食べないようなものばかりだけどね」

「あいちゃん、食べないかしら?」

「味噌汁の具としじみ汁?(うちで味噌汁飲むのあなただけじゃん?)」

「あと、お菓子は?」

「あいは現代っ子だよ。しかもよりによって月餅って・・・」

「あらそう?おいしいよ」

「そうかもしれないけど。だいたいお義母さんこれ全部自分で食べていけないものでは?(爆笑)」

「そうだわね〜。何も考えないで買ってしまった。お金使わなきゃと思って」

「・・・もういいわ(ドリフのコントだわ)」

器が小さい人間だな!と罵られてもかまいません。私としては、全ての選択が最悪にしか見えなくて。義母の話を聞くたびに「はぁ〜〜〜」とため息しか出てこない感じでした。だいたい、なぜお金を全部使い切ってこないと!という判断になるわけ?自分でも食べられないし、家族だって誰も食べたの見たことないものをなぜわざわざ選んで買ったの?そして月餅って・・・確かに美味しいのかもしれないけど、今はもっと美味しいお菓子がたくさんあるので、わざわざ買ってくるものとしてはどうなのかな?と。もう次の買い物散歩はしばらく無いなと。とにかく、まともな判断能力に戻るまではこういう頭を使うタイプの運動はダメだなと感じました。

お義母さん・・・勘弁して・・・。

義母のマナー。一般常識?空気読めない?

私ってマナーどうやって覚えたかな?と思い出していました。子供の頃にも親から教えられたし、その後、学校教育や地域の活動、もちろん社会に出てからもたくさん学んできたと思います。

義母の行動をみていると、どうも???なところが多いです。確か中学校卒業って言ってたけど、その後会社で働いていたとも聞いていましたし、家庭を持ち子供を教育してきたと思いますので、人に教える立場を経験してきたのであればそれなりにマナーというものを覚えてきたのではないかと思っていました。実際、妻のマナーはごく普通なのがその証拠だと思います。

最近義母の様子をみていると、私が学んできたマナー、一般常識、または空気を読むとか言いますけどそれとは少し違った行動をとることが多くて。その度に「え〜、マジで?」ということが多くなってきました。

私が戸惑った母の行動

  • エレベーター。降りる人先ということがマナーと思っていましたが、義母はドアが開いたと同時に乗り込む
  • ビニールなど、口が開けられないものがあると、指をペロりとして開ける。その指は洗わないし拭かない。
  • ティッシュ。鼻をかんだり目ヤニをとったりしたものを、黄ばむまで使い回す。そして衣類にポケットがついていればそこに入れる。
  • テーブル布巾で床を拭く
  • 砂糖などがついたスプーンをペロッと舐めて、そのまま洗わない
  • 手を洗うという習慣がとにかくない。ゴミや土、排泄終わりに触った手すら洗わない

これらは公共スペースや家の中とか、他人が絡んだスペースで行う問題行動の一部です。他、細かいものは忘れてしまうほど大量にあるので割愛します。ちなみに、他人が絡まない、自分だけのパーソナルスペースで行う問題行動もありますが、これを言い出すとキリがないのでやめます。

行動は変えられるものもある

よく「長年染み付いた癖」とか言いますよね。だからやめられないのだと。しかし、やめられるものもあるようです。

私が義母にやめてほしいことをお願いする際、いつも心がけていることがあります。

  • やめて欲しいことを明確に、しっかり伝える。「これをやめてほしい」と伝える
  • やめて欲しい行動について、この行動をするとどうなるのか?をしっかり伝える。「手を洗わないと、その汚れた手で後から触ったものがどんどん汚れていく」など。
  • 必ず理由を伝える。「エレベーター。先に降りる人を優先しないと、降りたい人が困るから」とか。「テーブル布巾で床を拭くと、次にテーブルを拭くときは床の雑巾で拭くことと同じことになって、気持ち的に許せないから」とか。遠慮せずに「嫌だ」という意思表示をしっかり伝える

これらを心がけています。やりはじめた当初、毎回「注意があります」からスタートする話に、義母が身構えていたことを覚えています。今は普通に聞いてくれます。おそらく行動についての問題点とやめて欲しい理由がセットだからだと思います。これは、ただの悪口や批判ではありません。「エレベーターは降りる人が先なんだ!覚えとけ!」なんて言ったら、聞く方も攻撃されただけと捉えますよね。「なんだその言い草は!」となります。これでは絶対に伝わらないです。

偉そうなことを説明してみましたが、義母の現在の様子は注意した数週間は気を付けるけど、そのうち忘れてしまいます。その都度また同じ注意を行います。この繰り返しです。エンドレスな感じはありますが、やらないよりはマシ。介護って本当に大変だと思う瞬間です。

義母からの謝罪の受け入れ

昨日の大喧嘩の一件から、引き続き義母を完全無視していました。1番腹が立つのは、週一レベルで丸一日潰れるような通院をしているにもかかわらず、注意してくださいと指摘されている食事管理を、自分に都合の良いように書き換えして言い張っているところ。これを認めるわけにはいかないです。自分ひとりで解決できるなら何も言わないです。糖尿病で死のうが体調悪化して倒れようがこちらは構わないです。けど、私が被害を被っている以上、見過ごすことはできないので。

義母からの要望で謝罪の席を設けたいとの話

「昨日は本当にごめんなさい」

「1番嫌なのが、自分に都合のよい嘘をつくこと。お義母さん、いま糖尿病で毎週通院しているでしょ?食事の管理をしっかりしてと先生から注意されているのね。それなのに、先生は言ってないとかいうのは、あまりにも酷い話だと思います。」

「なんか強く言われると、反発してしまうのよね」

「強く言うのは、あなたが一向に認めようとしないで、訳のわからない嘘でごまかそうとするからでしょ?私がどうのという話は別です。言われたくないなら、事実を認めてくれれば良いだけの話」

「ごめんなさい」

「ひとりでは生活できないと覚悟して、自ら頭を下げて我が家を頼ったんでしょ?こちらも理不尽なことなど要求していません。あなたにとっては充分住みやすい環境を与えていると思っていますし、そうしていくつもりです。嫌がらせとかするつもりもありません。だからお義母さんも、今までどおり思い通りにはいかないこともあることを理解してほしい」

「わかりました」

「許します。お互いうまくやっていきましょう」

これで和解しました。私の内心「最初からそう言えバーカ!」です。

義母、飴をこっそり買って爆食い

内心、「ホント、バカなんじゃないの?」と思った行動です。なんと言っても嘘をついているのが義母ですからね・・・もうホコロビすぎて嘘から何本も紐がほつれて見え見えの状態。容易にバレます。

病院の帰り。義母が散歩がてらに薬をとりに行くと言うのでお願いすることに。義母専用の財布を用意していますので、薬を買うのに十分なお金を札のみで入れて渡しました。この時点で、レシートとお釣りが合致しないとバレると子供でも想像できそうですが、義母はできません。ここからゴリゴリの嘘を淀みなく作り出すのです。義母が帰ってきてからの話です。

「あれ?お義母さん。レシートどうしたの?必ず持ち帰ってと言ったはずだけど」

「え?入ってない?あれ・・・。あ、ここだ」

義母がバッグを探していると、既にチラチラと見慣れぬレジ袋が見えます。

「あ、あったね。レシート見せて。あれ、お釣りとレシートの金額が合わないんだけど、どうしたんだろうね?」

「え〜?薬買っただけだと思うけど・・・」

「思うけど?・・・そうなんだ。困ったね、お金なくなってるね。」

「薬買って帰ってきたから」

「他には?何か買ったの忘れていない?250円程度のものだと思うよ」

「え〜・・・確か・・・」

「どうしたの?」

「あの、これ食べたくて買ってしまったの」

「そうなんだ」

バツが悪そうにバッグに隠していたレジ袋を取り出すと、見せてくれました。中には黒飴。実は前にもこの飴を買って食べていたのは見ていたので、相当好きなんだなと思いました。

「お義母さん。食べたい気持ちはよくわかるんだけど。今、糖尿病の薬の調整で月に何度も通っている最中だよね。1日潰れるほど大変なのわかってる?私、仕事のスケジュールを調整してそれに対処しているんだよね。そうやって人の手を借りながら、当事者のお義母さんはこういう砂糖の塊みたいなもの食べるって、どうなんだろうね?」

「あいちゃん(うちの子です)も食べると思って・・・」

「食べないよね?というか、前もこれお義母さんが全部食べてたでしょ?」

「私が全部食べるから。」

「・・・いや、そういうことではなくて」

病的というのはこういうことを言うのでしょうか?糖尿病患者が、薬の効きが悪いと言われて通院しながら、一方で飴をバクバクと食べるという行動。肺がん末期でタバコ吸う人の行動に似ているのかもしれません。わからなくはないけど・・・。せめて自己完結できる人がやって欲しいかなと思います。私、仕方なく通院付き添いしているので。

2日後、飴をチェックしてみるともうありませんでした。2日で飴一袋を全部食べてしまったようです。実家では誰も管理などしていませんでしたので、恐らくこういう無尽蔵な食べ方を普通に繰り返していたのでしょう。

そりゃ数値も改善しないだろうなぁ。