思いつき行動が迷惑な理由

本人からすれば「やりたいことをやっているだけ」。介護する側からすれば「他のことを考えてない身勝手な行動」。視点が違うと捉え方が180度変わるということですね。

義母が突然、買い物をしてきました。本人いわく、八百屋さんのようなところで買ってきたそうです。場所もわからないし、近所にあったのかな?というくらい見たこともないので、どこのことかも良くわかりません。

玉ねぎ、キウイ、バナナを買ってきました。400円だそうで、ずいぶん安いような気がします。何を買ってこようと、それは問題ないのですが。その後のこちら側の対応が面倒だなと。買い物したばかりなところに追加で要らない野菜。バナナは数本だから食べれば良いとして、大量の小さなキウイ。これ剥くのも一苦労です。義母が勝手に剥ける?剥けるけど、どうやって剥くのかとか、剥いた後の処理はいろいろ見てきたので、とても任せられるような状態ではない。端的に言うと、衛生観念に問題があるから正直やってほしくないということです。

ただでさえやることたくさんあるし、年末だし、気ぜわしいのに、やってくれるよなと。

本人からすれば「自分で毎日食べようかと思って」と言っていますが、これを今やっている糖尿病の食事制限に追加するということだよね?と。しかも義母はこの計算を全く理解しないので、1日に何個も食べて、数日で食べ切ってしまうような人です。歯止めが効かなくなるのはもう経験済みなので、ここは注意しておかないと。

「お義母さん、これどうやって食べるつもりなの?」

「毎日一個ずつ食べようと思って」

「それなら、デザート出していたもの削るからね。それと、毎日一個と言うけど日持ちしないものもあるので、食べきれない量なのでは?」

「大丈夫、まとめて食べるから」

「・・・いやだからそうなるんでしょ結局。まとめて食べるって。黒飴とおんなじことやってるじゃん」

「余計なことしちゃったかな?」

「いや・・・買ってくるのは構わないけど、自分で管理もできないんだから、それ誰が処理するの?っていう話なのね。せめて、買った後のことを考えてほしいと、何度も伝えてきたはずなのですが・・・」

「・・・」

糖質計算しながら、1日の適切量を調べて、果物が痛まないように冷凍保存しながらかな?とか。冷凍する場合カットしてからじゃないと配膳するときに手間がかかって嫌だなとか。本当にいい迷惑です。それをやるの誰なの?って言う感じです。

先週、糖尿病内科で「お薬の効きが悪くなっていて、肝臓の数値が悪いので薬を変更しました」と言われてきました。変更した薬は、今までよりも血糖値が上がるようになるという薬のようでして、先生から「血糖値上がると思うので、食事注意してくださいね」と言われてきたばかりでした。ただでさえ削るところがなくて困っていた食事のメニュー、どうするんだ?と思っていたけども。義母にはこういう裏側の作業など見えていないのでしょう。用意されたものをただ食べるだけ。食べたいものがあれば、衝動的に買うだけ。

イライラだけが募ります。

徘徊がはじまりました

妻と買い物から帰って玄関の鍵を開けると既に鍵があいていました。義母がお散歩でもしていたのかな?と思いました。義母の部屋の引き戸が開いていたので中をチラッと覗くと部屋にはいません。

「お義母さんいないけど、トイレかな?」

「そうじゃない?」

トイレの電気を確認すると中にはいない模様。

「あれ?散歩かな?」

「そうじゃないの」

しばらくすると戻ってきた。息を切らしています。何かあったような深刻な顔をしながら話しかけてきました。

「またアミダが後ろの道路を歩いていたの。私の名前を大声で呼びながら練り歩くんだよ」

「ちゃん子も一緒に連れて歩くの。助けてぇ〜って言うから心配になって助けに出かけたの」

「そうなんだ〜」

「大丈夫かしらちゃん子。アミダに利用されているんだわ」

「ちゃん子はこのあたりには住んでいないよ」

「歩いてきたのかしら?」

「50Kmも遠くに住んでいるから無理でしょ」

「歩いてきたって聞こえるよ」

「そうなんだ〜」

「私のこと「お前はゴーボーだぁ〜」って責め立てるんだよ」

「・・・?ゴーボー?・・・(傲慢と横暴の合体だろうね)」

「そう、お前はゴーボーだぁ〜、ゴーボーだぁ〜って」

「嫌だわ」

「嫌だね(幻聴が出ているお義母さんがね)」

今回は、前回の入院とは違うタイプの幻聴のようです。前回の入院では徘徊はありませんでした。今回はじめての行動なので、少し驚いています。もしかしてこの後しばらく続くかなという雰囲気があるので要注意だと思いました。

ゴーボーって・・・お義母さん、ありそうで間違っている単語勘弁して。

義母がお風呂で溺れそうになった事件

今まで義母の体調のこともあり、退院後はずっとシャワー浴のみにしていました。しかし最近体の動きも良いとの本人から申し出もあり、そろそろ浴槽を使っての入浴もありなのかと考えました。ということで早速。

「今日は浴槽にお湯を張ったから入っていいよ。長湯は厳禁ね」

「わかった」

「ひとりで浴槽入れるよね?」

「大丈夫」

「一応、娘が声かけするからね」

「わかった」

ということで入浴。念のため入った時間を覚えておきました。退院してからというもの、義母はまともな思考ができていないなと常に感じていたので、こちらも最悪の場合は想定していました。5分置きに娘が風呂をチェックしに行く体制をとっていました。

義母はシャワー浴でも着替えや体を洗うのに20分ほど要します。そのため15分くらいたってからチェックしにいくことにしていました。1回目の娘チェック。義母は笑顔で入浴していたとのこと。よしよし。2回目のチェック。5分後だったのでそろそろ上がってと伝えるように娘に伝言。この時、義母は娘の問いかけにうなずいていたとのこと。さらに5分後くらい。脱衣所に上がった音がしないので娘に見てくるように言うと、娘から

「おばあちゃん、寝てる!」

「なに?」

急いで浴室に向かうと確かに寝ていた。急いで問いかける

「お母さん!わかる?」

「・・・・」

「お母さん!(大声)」

「・・・(かすかにうなずく)」

意識はうっすらあるが完全に脱力しているので、私が両脇を抱えても流石に引き上げることは無理。のぼせているのは理解できたので、急いでお湯を抜いた。ちなみにこの浴槽で意識がない時、のぼせが疑われる場合はお湯を抜くという行動は適切だったと後からくる救急隊員さんに教えられた。義母は軽く痙攣を起こして、ヨダレをたらしていた。これはどういう状況なのか理解できず、救急車を呼ぶレベルなのかもと娘に急いで伝える

「救急車を呼んで。パパ、お湯が抜けるまで両手が離せないから。手を話したらおばあちゃん溺れちゃうと思うから」

「え〜。どこに連絡するの?」

「110番!はやくして!」

「わかった!」

「違う、ごめん、119番だ!」

私も気が動転してしまっていた。救急車を呼んでから5分もしないうちにサイレンの音が聞こえてきた。早いな〜と感心しながら、お湯も溺れない位置まで抜けていたので、義母を抱えている手を離し問いかける。依然ヨダレをたらしている。見たくもない義母の裸がどうしても横目に写ってしまう。こういう状況でもそういうところに冷静な自分がいた。そうこうしていると救急隊員さんが到着。

事情聴取をされる。お風呂に入っていて意識が薄れたような感じだと伝えた。隊員さんがマットのようなものを使って2人がかりで浴槽から義母を引き上げる。そのまま脱衣所で横にさせ寝かせた。まだ起きない。何かしゃべっているのは理解できた。口元も震えているのがわかった。

「のぼせたようですね。意識もあるし、呼吸、脈も正常ですが体温が少し高いので、もう少し様子をみましょう」

10分ほどすると、義母が目を開けた。自分がなぜこうなっているのか理解できない状況。裸のままだという認識が戻ったのか、急に体を隠す動作をした(誰もあなたの裸なんかに興味ないから心配無用と、ここまでに散々迷惑を被ったこちらからの悪態を心の中で吐露する)さらに10分ほどするとしっかり意識が戻った。義母が隊員の方に

「どなたですか?私、何かしたの?」

「救急隊員です。お風呂で寝てしまったようですよ」

「お名前は言えますか?」

「はい。〇〇です」

「息子さん、間違いないでしょうか?」

「はい、大丈夫なようですね」

「〇〇さん、具合はどうですか?」

「大丈夫です。気持ちよくて寝てしまった」

「気分はどうですか?」

「気持ちいいです。眠くなっちゃった」

そっちの気分じゃないから(内心爆笑)。外出していた妻へも連絡を入れていたので、妻が帰宅。義母は妻にバカとかアホとか、どれだけ迷惑かけたのかよく考えろ!とか、ひととおりの暴言を浴びせられていた。妻も顔に出さずとも心配していたのだろう。

私はと言えば、怒りというものはなかった。ただ今後はひとりでお風呂入るにしても注意しておかないと危険だなとか、今後の心配ばかり考えていました。義母はニヤニヤしながら

「お風呂気持ち良くて、寝てしまったんだよね〜」

「・・・」

「ごめんね、迷惑かけてしまって」

「本当に迷惑だよ。お風呂で寝る人なんてはじめて見たかも」

「死ななくて良かったわ」

「気がつかなかったら死んでたと思うよ。あまりニヤニヤしないで。場違いも良いところだし、真面目に対応したこっちはイライラするだけだから」

「ごめんね」

その後義母は落ち着き、そのまま眠った。落ち着いたあとに妻が冷静な顔でぼそっと

「そのまま死ねば良かったのに」

と言い放った。安心からくる悪態だとは思うけど、実の親子は辛辣だよなと感じた。他人の私には流石に言えない言葉。私はと言えば、ようやく冷静になっていた。冷静になって怖いと感じたのは、もしあの時そのまま気を配らなければ、義母を死なせてしまっていただろうこと。そうじゃなくて良かった。自分が原因で人が死ななくて・・・。何事もなくて本当に良かったと素直に安心した。

お義母さん!テーブルは床じゃないよ?

これが最近の問題行動です。テーブルを拭いた布巾でそのまま床を拭いたりします。その逆もまたしかり。

何度もやめて頂戴と言っても言うことを聞かない。テーブルの上の汚さと床の汚さは違うものだと思うのだけど、義母には理解できないようです。どういう環境で生活してきたらこういう観念になるのでしょうか?ハッキリ言って不潔以外の言葉が見当たりません。

というわけで。義母にはテーブルと床などを拭く作業自体を禁止しました。掃除しなくても良いということにしました。隠れてやっている感じはありますが、発覚した際に抜き打ちで注意しています。

宅食サービスのお試しと、即却下までの流れ

義母には調理などはさせていません。理由はたくさんあります。

  • 生物を触る前に手を洗わない
  • 全てが不衛生で作っても食べたくないから
  • めっちゃ時間がかかるので無理
  • 糖質と塩分管理などできない

ということで、朝昼は前日に作り置きしたものをいくつかローテーションして提供し、夕飯のみ家族分とまとめて出すという仕組みにしています。ですが、私も在宅ワーカーなので、夕飯時に忙しいときなどはとてもじゃないけど夕飯作りどころではない時もあります。こういう時のサポートがないかと、ケアマネージャーさんに相談したところ、宅食サービスを紹介されました。

早速お試しをしてみました。問題点は以下のとおり

  1. 宅食サービスの多くが冷凍状態で配達されるが、レンジでの温め時間の違いや調味料を外すなどの細かな設定があるので、これを覚えるのは義母には不可能だった。
  2. 宅配サービスは専用ボックスへ入れて行ったり、チャイムを鳴らして手渡しという配達方法だった。義母は難聴でほぼ来客がわからないことと、ボックスへ配達されてもそれ自体を忘れる可能性が高いことに気がついた。

よってNG。結論は早かったです。少しでも楽をしようと企んだ私がバカでした。

退院後の義母の様子について

精神科と介護認定のために毎日の記録用。

  • 幻聴はなし。
  • 物忘れが尋常じゃないほど多い。
  • 家電の使い方が全く覚えられない。
  • 食事も準備したもの以外は食べない。
  • 行動ひとつひとつに声かけをしないとできない。

最近、1番困っていることが、なんでも勝手にやって大失敗する謎の行動。本当に迷惑でしかないです。何度注意しても覚えようとしませんので、毎回やさしく注意し続けています。本当に疲れます。

義母、トイレ掃除で謎の粉を使っていたので調査した結果

1階のトイレは、義母専用にしました。妻がそうしたいと言うので。どうしてなんだろう?とこの当時はわかりませんでした。掃除の日なので、トイレ掃除を行っていました。便座の蓋を開けたところ、何か見慣れない白い塊がついているのを発見。

なんだこれ?ペーストだな。

よくよく見てみると、便座や蓋の裏などにも広範囲に乾いた粉のようなものが付着しています。え〜〜〜〜。なにこれ。考えを巡らせていたところ、もしかして、これハミガキ粉なんじゃないか?と思いました。ということで義母に確認。

「あのさ。トイレ掃除やった?」

「え?やってないよ」

「やったよね。やった形跡あるし、他の人誰もやらないから」

「あ〜この間やった」

「もしかして、ハミガキ粉使ったの?」

「使ったよ。あれでいろいろ落ちるから」

「誰のハミガキ粉使った?」

「自分の」

「実家でもそうやってたんだ」

「やってた。よく汚れ取れるから」

「いつの時代の掃除方法だかわからないけど、うちではやらないから二度とやらないでね。だいたい、トイレ用ウェットシートをちゃんと用意したのに、なんでわざわざハミガキ粉を使うわけ?大丈夫(アタマ)?」

「わかった。次からやらない」

「・・・」

またニヤニヤ笑みを浮かべて、全く可愛くもないけど一応照れ隠しのつもりで愛敬を振る舞っているのでしょう。イライラしますね。

どういう生活送ってきたのだろうか?妻はこういうことをやったことがないので、正直驚きでした。先日の排水口の件といい、どうやら衛生観念の違いがかなりありそうな人だなと、この時感じました。これが後々の一悶着に発展します。

義母。食器用スポンジで排水溝を洗う

「ちょっと?なにしてんの?」

発見した瞬間、絶叫してしまいました。難聴なので、タイムラグがありましたが、自分が指摘されていることには気がついた様子。

いやいや・・・これまじめに退院して良いレベルだったのか?それともこれって今までやってきた癖か何かなのか?この行動の間違いはいくつかあると思います。ちょっと整理してみます。分析してみると意外と怒りもマイルドになる気がするので。

  • 他人の家にきて早々、家主に何も聞かないまま行動すること
  • 仮に自分の家でやっていたとして、これが衛生的に問題あると思っていなかったのか
  • 一般常識的に、自分のルールでは良しとしても、対外的にはやらない行為だとは思わなかったのか

    こういう疑問を感じました。私だって自分の家では家族の前でオナラもしますが、他人の家では余程関係が深くならない限り、まずやらないよなと。初めからそんな失礼というか、マナー違反ってしないよなと。で本人に早速問いただしてみました。

「これ、食器用スポンジなんだけど。誰に聞いてこれで排水溝掃除して良いって言われた?」

「聞いてない」

「だよね?ならなんで自分の判断で人の家のもの勝手に使ったの?」

「排水溝用だと思ったから」

「そう思ったから使ったのだろうけど。このスポンジ、子供の水筒とか洗う専用のやつなんだけど」

「あ〜。ごめんね。わからなかった」

「わからなかったんでしょ?ならなぜよりによって排水溝掃除に使うわけ?大丈夫(アタマ)?」

「実家でもやっていたから」

「うん、うちは実家じゃないよね」

「ごめんね。」

「排水溝を二度と触らないで。掃除なんてお願いしてないから」

「わかった」

私の言葉はこれでも本当に抑制したつもりです。怒りが込みあげてきましたが、なんとか抑えてしゃべったつもりです。なぜ怒るかって?毎日これで子供の水筒を洗っているから。もしこれを発見せずに使っていたらと思うと気持ちを抑えることは無理でした。

やっぱイっちゃってるな。そう判断するのに時間はかかりませんでした。頭の様子がオカシナ老人と暮らしていかなきゃならないんだなぁ・・・今後どうなるんだろうか?と軽くショックを受けました。

それにしても。怒られていた時の半笑い・・・とんでもない非常識なことをして怒られたのに、何ヘラヘラしてんの?と。腹立つなぁ

この瞬間、義母への同情や愛情などという気持ちは一気に失せてしまった気がしました。