ベッドの空き確認の日と、そのまま2回目の入院へ

今日は先週通院した際、病院側から一度電話をかけてベッドの空き状況を確認してくださいと言われていた日です。

朝電話をかけると、やはり空きが発生していたようで、今日来れますか?とのことだった。今日?・・・いやいや、バタバタして大変だけどもちろん行きますよ!OKです。

「今日を逃すとまた次をまたなくてはなりませんので、入院されますか?」

「します!」

「では準備をしてきてください。午後から受付にしておきますね」

「お願いします」

「今回はまた長期入院になるかもしれないね。様子が落ち着かないみたいだから」

「そうでしょうね」

「ではまた午後に」

急いで入院の手続きセットをもらって帰宅。

義母に入院のことを告げると

「また入院するの?嫌だわ〜」

「でも家に居てもアミダが毎日追いかけてくるよ」

「それが怖いのよね〜」

「病院では、アミダも入れないようにしてくれるから安心だと思うよ。良い治療も受けられるし。早く治したいなら入院して頑張ってきた方が良いと思う」

「そうよね。わかった」

自分が悪徳詐欺師になったような気分です。ちょっとだけ騙している気もします。でも義母にとっても我々にとっても双方WinWinなので誰も困らない。ということで選択肢としてはベストなはずです。ならば詐欺師でも結構なのかなと思いました。

午後から急いで入院。帰りの車でひとりホッとしながら帰宅。しばらくの間ゆっくりとストレスレスな生活ができると思うと、言いようもなく嬉しかった。

義母、退院後最初の精神科定期受診

退院後、最初の精神科受診でした。義母の現状としては

  • 幻聴はない(と本人は言っている)
  • 呂律がまわらない。口のまわりを中心に筋肉のこわばりが見られる
  • 衝動的行動が多い
  • 会話が噛み合わないことが多い

私がみた母の状態はこのような感じです。これを先生にお伝えしました。先生からは、引き続き経過観察しましょう。筋肉のこわばりは恐らく薬の影響も考えられますので、少し量をコントロールしてみましょう。ということでした。診断名は「妄想性障害」だそうです。病院から渡される会計などに必要なファイルをチラッとみたところ、せん妄患者と表示されてもいました。私は素人なのでよくわからないし、ネットで調べてみてもいまいちこのせん妄とか妄想性障害っていう病気がどんなものかがわかりませんでした。まあ、先生がそうおっしゃるのだからそれが正しいはず。余談ですが、義母の主治医の先生はとっても気さくな方で、医者らしくない敷居の低さ。冗談っぽい口調と、雰囲気、表情など、トータルでとても良い先生だと思うので、いろいろ相談しやすい人だなとホッとしました。

当面、1ヶ月に一度の受診とのことなので、義母の行動チェックを行うことになりました。

義母が話をしていたことの事実確認で警察を訪ねた

義母が入院前に話していた内容で、ずっと気になっていたことがあります。

  • 夜中に交番に通報してきてもらったこと
  • 夜中にアパートを管理している不動産に電話したこと

不動産については、ちょっと敷居が高くて躊躇いました。「だから何?」って言われたらそれまでなので。あくまでも私の興味本位ですから、不動産屋さんにしてみたらそんなのどうでも良い話ですからね。義母が言っていることのどれが本当でどれが妄想なのか?というところがどうしても気になってしまって。

最寄りの交番だと思うので、実家を管轄する交番へ電話をしました。本人以外の場合、本人確認をしないと個人情報が絡む話はできないと言われたので、直接訪問することに。交番で本人確認が終わって本題へ

「たまよ(義母)の義理の息子なのですが、お尋ねしたいことがありましてきました」

「どういった件でしょうか?」

「義母の話によると先日、夜中に電話をして隣家からの騒音が煩くて困っていると交番に通報したと申していたのですが、それが事実確認かどうかの確認でした」

「あ〜。あれは覚えています。結果から言うと、まず夜中の2時に通報があって、私と部下の女性の2人で訪問しました。家の中と敷地内を確認しましたが、騒音や迷惑行為は現認できませんでした。ご本人にはその旨を伝えたことと、様子からして少し混乱したようにお見受けしたので、近いうちに一度病院へ行ってみてはどうですかとお伝えしておきました」

「義母の話は本当だったんですね」

「その後、たまよさんどうなんですか?いつもお孫さんの件でお電話あったのですが、夏頃からぱったりと途絶えていたので、うちの交番でも気にしていたんですよ」

「孫は娘夫婦ですが、引越ししたので今は義母の独居になっているんですよ。ちなみに、今、義母は入院しました」

「あ〜そうだったんですか。いや、訪問した際の会話の内容がなんと言うかとても混乱していて、部下がなんとかなだめて落ち着いた感じだったので、その後心配していたんです。入院されたということで安心しました」

「ご心配ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました」


というような感じでした。電話していたのは本当だったんだ・・・と少し驚きがありました。ということは、不動産に真夜中に電話したんだなと。確か個人経営の地元の不動産だったはずなので、迷惑かけただろうなと。なぜかというと、義母の話のなかで「不動産屋は、何言ってるんだ?って感じで、アパートの住人に確認したけどそんな事実は無いって言ってたの」という話を聞いていたので。恐らく怒らせていたのだと思います。そりゃそうだ、訳のわからない話で突然真夜中に連絡されたら、誰でも驚く。

義母の人物や病気について

先日、入院することになった義母について話してみたいと思います。

義母の基本情報

  • 70代後半
  • 155cm/40kg程度。痩せ型
  • 夫(私からすると義父)(8年前に他界)
  • 趣味:食べること・テレビを見ること
  • 性格;温厚
  • 長所:滅多に怒らない。常にフラットな感情なところ。人の世話を焼くのが好き
  • 短所:天然ボケ・不衛生・余計な一言がとても多い・奇行

私からみた義母はこのような人物だと思います。同居する前の印象は、温厚な人柄で、天然ボケだけど悪意がない人という感じでした。同居後も義母に変化はありませんが、私の主観だけが180度変わっただけです。この話は追々していくことにします。

義母の病歴

  • 妄想性障害(通院・治療中)
  • 糖尿病(通院・治療中)
  • 関節リウマチ(通院・治療中)
  • 難聴(定期検査で通院中)
  • 心筋梗塞(通院中・年1回の定期検査)
  • 歯肉炎(治療済みで定期検査で通院中)

この中で、特に影響があるものは妄想性障害だと思います。他の病気については、治療・対処をすればどうにかなるものですし、周囲に大きな迷惑がかかるような病気ではありませんので。ただ、精神疾患だけは違うんですね。これは本当に厄介ですし、周囲も振り回されるということを、身を以て体験することになりました。病気の話についても、介護の日記上で嫌というほど書いていくので、追々お話していきたいと思います。

義母が入院することになりました

朝。義母が起きてきません。部屋を見にいくと、髪はボサボサ、下着姿のまま部屋の片隅でブツブツと何かを口ずさんでいました。

「お前が悪い〜。お前が悪い〜。〇〇〇〇〜1-2-3、〇〇〇〇〜1-2-3(〇〇は義母の実家の住所)」

呪文というか念仏というか、同じことを繰り返し何度も何度も小さな声で呟いています。
これ、めちゃくちゃ怖かったです。全盛期のほん怖のワンシーンのような怖さ。振り向いたら目が真っ白なんじゃないのか?と想像するほど、表現のしようがない不気味な後ろ姿でした。

これはマズいぞと。すぐにこのまま放置してはいけない状況だということは理解できましたので、病院が開くと同時に先日の精神科へ相談をしました。再度診察をするとのことだったので急遽病院へ向かうことに。

「ひどくなりましたか?」

「部屋の片隅で震えて呪文を唱えているような感じでした。こちらの問いかけにも反応が薄いです」

「(先生)大丈夫ですか?」

「(義母)・・・・・」

「入院しましょう。長くなると思いますので、早速準備をお願いします。それと入院後になりますが、精密検査を行うことになります」

結局、義母はこのまま入院することになりました。私は内心、入院できないとなったらどうしよう!と本気で考えていたので、義母の心配よりも先に、自分たちの不安が取り除かれたことに安堵していました。
もしも夜中に起きたときに、真っ暗な部屋からつぶやきが聞こえてきたら、恐ろしくて眠れませんから。

本当に入院できて良かった。

義母を精神科へ連れて行くことに

昨日から義母の面倒を我が家でみることになりました。今日の午前中に妻が休みを取れることになりました。手分けをして作業をすることに。妻は実家から義母が使うだろうものを持ってくる担当。私は義母を病院へ連れて行く担当です。病院は義母がかかりつけの大学病院が良いだろうということで、妻が事前に予約を入れてくれました。

大学病院の精神科へつきました。義母は不安そうな様子。と言っても、義母の不安は我々が思いつくような「どんな病気なのだろう?」とか「何か重い病気なんじゃないだろうか?」の種類ではなく

「なんか、アミダが着いてくるんだよ。そこらへんに居るの」

こっちの不安だったようです。

このアミダというのは、阿弥陀様のことだと思います。擬人化されてます。義母の話によると、アミダという人物が居て、彼には奥さんと子供二人がいるそうです。隣のアパートに住んでいたと。彼らが義母に様々な悪さをしていたと。簡潔に言うとこういう話だそうです。

義母の不安というのは、このアミダが付きまとってくることだそうです。自分が病気だとは1ミリも思っていませんので、それは当然なのでしょう。だから病気が怖いとかではなくて、病院まで着いてきて、太鼓を鳴らして義母の名前を大声で叫んでいるのが恥ずかしいとか、恐ろしいとか。そういう恐怖を感じていたそうです。

私から言わせれば、こういうことを真顔で話す義母の方が100倍恐ろしいのですが。義母の診察の前に、一通りの事前検査がありました。同行できなかったので詳しくはわかりませんが、頭部CTや血液・心電図などの検査を行なったようです。持病は糖尿病と心筋梗塞(発症前に発見したので、現在治療中)、リウマチを抱えています。その関係で血液検査なども行なったのかな?と思いました。その間に妻が合流しました。そして義母の診察がはじまりました。

「どうされましたか?」

「声が聞こえると訴えています」

「どのような?」


私たちは、今まで義母から聞いてきた”聞こえる声”のことを先生に伝えました。

「幻聴ですね。原因はいろいろあると思いますが、今のところはこれだという判断はできません。若い頃、統合失調症などの既往はありましたか?」

「恐らく、無いと思います」

「そうですか。もし、お母さまがもう少し年齢が若くてこの症状で来たとすれば、統合失調症という診断になるのかもしれません。ただし、年齢からして今発症したのであれば、妄想性障害というような感じなのかもしれません」


「とりあえず、同居の方への危害や、ご本人の錯乱のようなものもまだ無いようですから、投薬を行って様子をみるという方法になると思います。それでも改善しないようでしたら、入院して治療するというような流れになるかと思います」

診察が終わりました。処方箋を用意されて帰宅することに。だいたい想像していたような病気だなと思ったことを覚えています。私的には認知症とか鬱とかなのかな?という素人判断をしていました。

チャン子が出て行ったことを含め、これまでに義母にかかるストレスは相当のものだったのは理解していましたから、恐らくこれらが原因となって病気になったのかな?と思いました。

とりあえず、自宅療養ということですが、義母が頻繁に訴える「また声が聞こえた!」という声と、怖がる顔を見続けなければならないのかと思うと、急に浮かない気持ちになりました。